レッシュの中心地理論
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/20 03:37 UTC 版)
レッシュの中心地理論では、生産者間で完全自由競争がなされた場合、販売圏は財の到達範囲の上限で重なり合い、相互に削られ、最終的には不当な利潤のない財の到達範囲の下限で正六角形のかたちで空間を埋め尽くす。また、レッシュ理論の特徴は、生産者の市場空間を「需要円錐」として空間的に捉えている点にある。経済学における需要曲線ではy軸方向に価格、x軸方向に数量を表しているが、レッシュの需要円錐は空間的な観点からz軸方向に販売圏を置いており、この円錐の堆積が地域における販売量として考えている点である。 レッシュは、財の種類によってそれぞれ販売圏が異なるとしており、少なくともひとつの中心地を共有するようにして財Aの市場網+財Bの市場網+財Cの市場網・・・といった形で市場網を順次重ね合わせた場合を考える。このとき、空間の中には中心地の重なりが多くなる「シティ・リッチ・セクタ」と中心地の重なりが少ない「シティ・プア・セクタ」が現れる。なお、重ね合わせにあたっては、歴史性、自然条件、政治システムの違いなどを考慮することができるが、レッシュは重ね合わせの論理については明らかにしておらず、研究上の課題として残っている。 また、レッシュ理論は1970年代にタラント、ビーボン、マーシャル、ハイツなどによって研究が進められた。
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