ルシオール(高性能電気自動車)
1996年に発表された小型であるが、きわめて高性能、安全、快適、低燃費なクルマの実現を狙いとして、国立環境研究所を中心に関連企業を加えた「エコビークルプロジェクト」が試作した高性能超小型電気自動車。当時としては新しい技術を用いて、最初から電気自動車として設計されたタンデム方式(縦列乗車)2人乗り乗用EVで、その翌年から発表されたe-com、Hyper-mini、City-palなど2人乗りコミューターEVの先駆となった象徴的クルマ。当時の新技術としては、フロア兼用のバッテリービルトイン式フレーム構造のボディにインホイールモーター方式を採用し、省エネのためのディスチャージ式ヘッドランプ、LEDストップランプ、太陽電池ビルトインスポイラーなどが装備されている。車名Lucioleは蛍の意。
ルシオール
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/08/11 23:04 UTC 版)
ルシオール(LUCIOLE)とは、国立環境研究所などが中心となり民間企業13社と共同で開発し、1997年に発表された電気自動車である。
「ルシオール」とはフランス語でホタルを意味する。車体のデザインから名づけられた。
概要
ルシオール | |
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概要 | |
製造期間 | 1997年 |
ボディ | |
乗車定員 | 2人 |
ボディタイプ | 2ドア クーペ タンデム2シーター |
駆動方式 | インホイール後輪駆動 |
パワートレイン | |
モーター | DCブラシレスモーター 36kW×2(98PS)/77N・m |
サスペンション | |
ダブルウィッシュボーン式 | |
車両寸法 | |
全長 | 3295mm |
全幅 | 1200mm |
全高 | 1335mm |
車両重量 | 910kg |
その他 | |
最高速度 | 150km/h |
バッテリー | 密閉式鉛蓄電池 |
環境・エネルギー・事故・渋滞という、現代の自動車が抱えている問題を解決すべく開発された。ルシオールは従来の電気自動車の性能を超えるため、ゼロから車体の開発が行われ、随所に最新の技術が施されている。
ルシオールは全長3300mmの軽自動車である。車体はダイハツ工業製で、スタイリングは空気抵抗を減らすため、流線型のクーペとなっている。2ドアで、室内空間確保と側面衝突時の衝撃緩和空間を設けるため、タンデム2シーターのレイアウトとなっている。
ルシオールは床下にバッテリーを収納する「バッテリービルトイン式フレーム」を採用。高い室内空間を確保し、かつ低重心化により高い安定性と運動性能を実現した。ルーフとリアスポイラーには補助電力として多結晶太陽電池を搭載している。ヘッドライトにはHIDランプ、ストップランプにはLEDを採用し、消費電力の削減を図った。
ルシオールは1つあたり出力36kWの直流ブラシレスモーターを動力源としている。後輪2つにインホイールドライブ方式(ホイールの内側にモーターを備える方式)で搭載している。最高速度は150km/h、0-400m加速は17.9秒となっている。また、10:15モード走行時の燃費はガソリン自動車換算でリッターあたり50kmと、低燃費を実現している。
関連項目
外部リンク
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