リン鉱床の形成
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/26 08:53 UTC 版)
「北大東島のリン鉱山」の記事における「リン鉱床の形成」の解説
海鳥の糞が堆積し、固化したものをグアノと呼ぶ。堆積した糞は風化作用を受けて揮発性、可溶性の成分が失われて、まずはリン酸質グアノとなる。更に風化作用が進むとリン酸質グアノ内のリン酸が流出し、基盤の岩石と反応してリン鉱石となっていく。グアノ由来のリン鉱石は基盤の岩石が石灰岩の場合はリン酸石灰鉱、一方、基盤がケイ酸塩岩の場合にはリン酸鉄礬土鉱が形成される。北大東島のリン鉱石は主にリン酸鉄礬土鉱のリン鉱石であり、他にはパラオ諸島のペリリュー島などで見られる。 北大東島のように基盤岩がケイ酸塩岩の場合、リン酸質グアノから流出したリン酸はアルミニウム、鉄系の様々な形態の交代鉱床を形成する。リン酸鉄礬土鉱のリン鉱床は火山島や火山島に発達した環礁、また火山灰に覆われた石灰岩の島や火山の噴出物が流入した島などで形成されると考えられている。北大東島の場合、石灰岩の風化によって形成されたテラロッサと島外からもたらされたと考えられる火山性の軽石由来の砂に、リン酸質グアノから流出したリン酸が反応して形成された交代鉱床であると考えられている。 リン酸三石灰の鉱床は太平洋の島々や北アメリカ大陸、アフリカ大陸などに大規模な鉱床があるのに対して、リン酸鉄礬土鉱のリン鉱床は数少ない上に規模も小さいが、北大東島の鉱床は比較的規模が大きい。
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