ラジオ聴取研究
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/29 16:33 UTC 版)
「ポール・ラザースフェルド」の記事における「ラジオ聴取研究」の解説
ラザースフェルドの研究は多岐に渡ったが、最も重要なものの一つとして1940年代のラジオ研究が挙げられている。 1937年、ロックフェラー財団の支援でラジオ研究は開始した。ラザースフェルドはその研究プロジェクトの総括責任者に選ばれ、A. H. キャントリル、F. スタントンが補佐をした。その研究内容は、ラジオ番組の聴取者の日常的接触実態を明らかにするのみにとどまらず、クイズ番組やソープオペラの愛好者研究、実況放送形式で脚色された「火星人の襲来」ドラマ放送の聴取者のパニック反応研究、戦時国債の販売促進のためのマラソン・ラジオキャンペーン放送研究なども扱い、後世の利用・満足研究の先駆けとなったとされる。 ラザースフェルドの行ったラジオ聴取研究は、マス・コミュニケーション研究の一部である「オーディエンス論」の初期の代表的な研究であるとされる。また、吉見俊哉はラジオ聴取研究について、当時の主流であった第二次世界大戦中のプロパガンダ研究を、宣伝研究と結びついたマス・コミュニケーション研究へと変化させたと評している。 また、ラザースフェルドが中心となったコロンビア学派のラジオ研究は「マスコミの受け手・効果研究を先導し、実証的マスコミ社会学の樹立への道を拓き、さらに応用社会調査研究所をコミュニケーション研究の総本山にのし上げた」とも評されている。
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