ヨアキム研究
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「マージョリ・リーヴス」の記事における「ヨアキム研究」の解説
彼女の主たる研究テーマのひとつがフィオーレのヨアキムとヨアキム主義に関する研究だった。彼女は第二次世界大戦末期に、ヨーロッパ大陸からイギリスに逃れてきた研究者が論文でわずかに言及したことを手がかりにして、自身のホームグラウンドともいえるオックスフォードのボドリアン図書館に、長く失われていたヨアキムの『形象の書』の写本が眠っていたことを発見した。『形象の書』の別の写本は1939年にイタリアでも発見されていたが、戦時ということもあってリーヴスは当初認識していなかったという。戦後、その2つの写本の出現とそれらに見られる異同は、真正性をめぐって大きな議論を巻き起こすことになった。 ヨアキム研究者としての彼女の国際的な名声は、前述の『形象の書』をめぐる議論を通じて、1950年代に高まった。彼女のヨアキム研究における主著は『中世の預言とその影響 - ヨアキム主義の研究』(1969年)であり、これはヨアキム自身の思想だけでなく、ヨアキム主義者たちの思想などまで広範囲に分析した大著である。リーヴス自身、自らの研究の多くがまとめられている書として言及していた。この文献については、ヘルベルト・グルントマンの研究とともに「ヨアキム研究の出発点の地位を占める」とされ、「一般史と思想史、政治史と宗教史をつなぐ貴重な成果」という観点からも評価されている。彼女はほかにもベアトリス・ヒルシュ=ライヒとの共著という形で、『形象の書』の注解書を刊行した。 ヨアキムの復権は彼女一人に負うものではないが、彼女の名前は「ヨアキム・ルネサンスの伝統」に寄与した一人として、さらに「ヨアキム研究の総帥」「世に知られた巨匠」などという形で言及されている。
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