モダン・ヴァイオリンとの違い
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/13 02:32 UTC 版)
「バロック・ヴァイオリン」の記事における「モダン・ヴァイオリンとの違い」の解説
モダン・ヴァイオリンと異なる点として、バスバー(胴体部分の内部に縦についている棒)が小さいこと、駒の下部が比較的薄く上部が比較的厚いこと、指板が短いこと、ネックが太いこと、アジャスターがないこと等がある。しかし、最も重要な違いは弓である。モダン・ボウ(モダン・ヴァイオリンの弓)の形状が「Σ」の字に中間部が凹んだ曲線を描く一方、バロック・ボウ(バロック・ヴァイオリンの弓)は直線形であるか、又は中間部が少し膨らんだ曲線である。これは弓の毛の張力が弱いことを意味する。 バロック時代の習慣に倣って、多くのバロック・ヴァイオリン奏者はガット弦を使用している。これにより幾分か柔らかい響きの素朴な音色となり、アンサンブルにおいて他の楽器と調和しやすい。近年は、顎当と肩当を装着する奏者も増えつつあるが、ほとんどのバロック・ヴァイオリン奏者は、バロック時代にはまだ発明されていなかった、顎当や肩当を附けずに演奏する。モダン・ヴァイオリンの演奏においては、顎当や肩当により楽器をしっかりと固定するが、それがないことで、自由度が高く緊張のない自然な体勢をとることができる。バロック・ヴァイオリンは、モダン・ヴァイオリンより前方に位置することになり弦は鎖骨と垂直に延びる。これは演奏者の弓を持つ手の位置にも大きな影響を及ぼし、モダン・ヴァイオリンでは困難であったり、比較的不自然であったりするアーティキュレーションも容易になる。
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