メンタル・モデルとは? わかりやすく解説

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メンタルモデル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/30 14:55 UTC 版)

メンタルモデル: mental model)とは、頭の中にある「ああなったらこうなる」といった「行動のイメージ」を表現したものである[1]表象 (representation) と密接な関係を持つ[2]

概要

メンタルモデルは、外界の現実を仮説的に説明するべく構築された内的な記号または表現であり、認識と意思決定において重要な役割を果たす。メンタルモデルが構築されると、時間とエネルギーを節約する手段として慎重に考慮された分析を置換する。

単純な例として、「野生動物は危険だ」というメンタルモデルがあるとする。このメンタルモデルを保持する人は、野生動物に遭遇したとき反射的に逃げようとするだろう。これは自身のメンタルモデルを適用した結果であり、野生動物に対するメンタルモデルが形成されていない人や違うメンタルモデルを保持している人はこのような反応はしないと考えられる。

歴史

この用語は1943年、Kenneth Craik が著書 The Nature of Explanation で初めて使ったとされている。Craik は自転車事故で早世したため、その考え方は深く練られることはなかった。Craik 以前、Georges-Henri Luquet がこの考え方をある程度進展させていた。彼の著書 Le dessin enfantin(1927年、Alcan)[3]によると、子供が明らかに「内的モデル (internal model)」を構築していると主張し、ジャン・ピアジェらに影響を及ぼした。

1983年、Mental Models と題した本が2つ出版された[4]。1つはプリンストン大学教授の Philip Johnson-Laird の著書である。もう1つは Dedre Gentner と Albert Stevens が編集した論文集である。この本の冒頭の一文がメンタルモデルという考え方をよく表している。

「この章の1つの機能は、明らかなことを強調することである。すなわち、世界、自分自身、自身の能力、実行するよう求められたタスク、学ぶよう求められた項目といった事物についての人の見方がその人自身がそれらをどう概念化するかに強く依存しているということである」[5]

その後さらに議論が行われ、マンマシンインタフェースユーザビリティにこの考え方を応用するようになった。例えばドナルド・ノーマンの研究や Steve Krug の著書『超明快 Webユーザビリティ: ユーザーに「考えさせない」デザインの法則』(英語: Don't Make Me Thinkがある。Walter Kintsch と Teun A. van Dijk は「シチュエーションモデル (situation model)」という用語を使い(1983年の著書 Strategies of Discourse Comprehension)、会話におけるメンタルモデルの関連を示した。

関連項目

脚注

  1. ^ 入江 2018.
  2. ^ Hewstone, Miles, et al. (2005). Psychology. BPS Textbooks in Psychology. Oxford: BPS Blackwell. p. 260. ISBN 9780631206781 
  3. ^ Georges-Henri Luquet (2001). Children's Drawings. Free Association Books. ISBN 1-85343-516-3.
  4. ^ Davidson, Mary Jo, et al. (1999). “Mental Models and Usability”. Cognative Psychology 404. Depaul University. http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0925753505000883 
  5. ^ Gentner, D. and Stevens, A.L. (1983). Mental Models. Hillsdale, NJ: Lawrence Erlbaum Associates, ISBN 0-89859-242-9.

参考文献

外部リンク

研究者

ソフトウェア


メンタルモデル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/19 04:33 UTC 版)

蒼き鋼のアルペジオ」の記事における「メンタルモデル」の解説

”の艦艇用いる、外界との接触図り情報収集を行うために形成され人間型インターフェイス。各艦艇演算中枢であるユニオンコアの直接的な端末であり、メンタルモデルの示すキャラクターがほぼイコールで各艦艇パーソナリティであると考えてよい。アニメ版コンゴウ描写ではコア腹部搭載されている。艦から離れて行動したり、同時に複数形成したりできる。船体と同様ナノマテリアル構成されているが、外見的に人類と全く変わらず普通にていればタカオマヤイ402ズイカクのように一般市民として人間社会見聞することも難しくないようである。

※この「メンタルモデル」の解説は、「蒼き鋼のアルペジオ」の解説の一部です。
「メンタルモデル」を含む「蒼き鋼のアルペジオ」の記事については、「蒼き鋼のアルペジオ」の概要を参照ください。

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キリシマ声 - 内山夕実旧帝国海軍金剛型戦艦四番艦・霧島の形状を模す。メンタルモデルはショートアップで、ショートパンツスタイルにコートを羽織った女性の姿。横須賀における海戦ではハルナに対し主導権を握って行動する。イ401との戦闘開始時に「ワクワクする」、自分たちが窮地に追い込まれた時に「楽しい」と発言するなど好戦的な性格。イ401に敗北し、船体とメンタルモデルは失ったが、ユニオンコアだけは生き残った。轟沈時には「後悔」を知ったが、後に語る所によると群像達に対しては「憎悪」のような感情は持っていない様子。蒔絵を霧側に取り込むようにコンゴウに提案するなど、一般のメンタルモデルより創意に富んでいる。蒔絵によりハルナが保護された後、刑部邸にてハルナからナノマテリアルを分けてもらい、蒔絵所有のクマのぬいぐるみ「ヨタロウ」を外装として動かす形で再び自力で動けるようになった。これ以降は常にヨタロウの姿でいるようになっている。実はこのヨタロウは着ぐるみに改造されており、頭部には目が光るなどの細工が施されている。これを3頭身くらいにデフォルメされた姿のキリシマが着込んでおり、着ぐるみの手入れをするときや刑部首相と会食したとき以外は脱いでいない。現在はハルナやマヤと共に蒔絵を伴っての旅に出ている。ハルナが第4施設焼失事件の調査を行うため行動を共にし、文化祭に紛れ第4施設を調査しようとするが、Depth:106でタカオとアタゴの妨害により交戦に入り、ナノマテリアルが自由に扱えることに気付いたため、Depth:110でデフォルメされてない自身のメンタルモデルを再生する。再生したものの、身体であった蒔絵のぬいぐるみであるヨタロウが入ったバックを忘れていたのか、それをタカオに奪取されていた。アニメ版
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