メタルバリア
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/30 14:31 UTC 版)
全ての銅配線をメタルバリア層で完全に囲まなければならない。なぜなら周囲の物質に銅が拡散すると特性が低下するためである。たとえばシリコンは銅がドープされると深い準位トラップを形成する。名前が暗示するように、銅導体を下のシリコンから化学的に分離するためにメタルバリアは銅の拡散を十分に制限しなければならないが、それにもかかわらず良い電子接点を維持するために高い電気伝導性も持たなければならない。 バリア層の厚さも重要である。バリア層が薄すぎると銅接点が接続されたデバイスに害を与える。バリア層が厚すぎると、バリア層と銅導体の全抵抗がアルミニウム配線よりも大きくなり、利点が損なわれてしまう。 それまでのアルミニウムから銅ベース導体への移行における導電性の向上は少量であり、アルミニウムと銅のバルク導電性の単純な比較から期待されたほど良くはなかった。銅導体の4面すべてでのメタルバリアの添加は、純粋で低抵抗である銅から成る導体の断面積を大きく減少させる。アルミニウムは、一方でシリコンやアルミニウム層へ直接に接点を作るとき低いオーミック抵抗を促進するため薄いメタルバリアを要求し、メタル線の側面でアルミニウムを周囲のシリコン酸化物絶縁体から分離するためのメタルバリアを要求しなかった。それゆえ科学者はバッファー層を用いずにSi基板へのCuの拡散を抑える新しい方法を探している。一つの方法は配線材料としてCu-Ge合金を用いることで、バッファー層(たとえばTiN)が必要なくなる。平均抵抗6 ± 1 μΩ cm、仕事関数~4.47 ± 0.02 eVのエピタキシャルCu3Ge層が作られており、Cuの良い代替材料となる可能性もある。
※この「メタルバリア」の解説は、「銅配線」の解説の一部です。
「メタルバリア」を含む「銅配線」の記事については、「銅配線」の概要を参照ください。
- メタルバリアのページへのリンク