ムラサキホコリ属とは? わかりやすく解説

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ムラサキホコリ属

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/08/28 17:43 UTC 版)

ムラサキホコリ属

1. (上) サビムラサキホコリの子実体、 (上) オオムラサキホコリの子実体
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: アメーボゾア門 Amoebozoa
亜門 : コノーサ亜門 Conosa
階級なし : 真正動菌 Eumycetozoa
: 変形菌綱 Myxomycetes
亜綱 : 有軸亜綱 Columellinia
上目 : ムラサキホコリ上目 Stemonitidia
: ムラサキホコリ目 Stemonitales
: ムラサキホコリ科 Stemonitaceae
: ムラサキホコリ属 Stemonitis
学名
Stemonitis Gled.1753[1]
タイプ種
ムラサキホコリ Stemonitis fusca Roth1787[2]
シノニム
下位分類

ムラサキホコリ属学名: Stemonitis)は、ムラサキホコリ目ムラサキホコリ科に分類される変形菌の1属である。ムラサキホコリなど24種ほどが知られている。子実体は比較的大型で円筒形の子嚢(胞子嚢)と柄からなり、柄の延長が頂端付近まで伸びて軸柱になる。子嚢壁は早落性で表面網となり、内部の細毛体は網状に発達する。変形体は白色。属名Stemonitisギリシア語で「糸のようなもの」を意味する[2]。多くの種では子実体は腐朽木上に生じるが、枯葉や生きた植物体上に生じる種もいる。

特徴

子実体単子嚢体で有柄、子嚢(胞子嚢)は円筒形[2]。柄は角質で中空、ときに不透明。軸柱は柄の延長であり、子嚢の頂端付近まで達する[2]細毛体は子嚢内で分岐して立体的な内網となり、子嚢表面は子嚢壁が脱落して平面的な表面網となる[2]胞子は反射光では暗色、藤色から帯赤色、表面は網目型または疣型や刺型[2]

2a. サビムラサキホコリの子実体(柄、軸柱、細毛体)
2b. ムラサキホコリの細毛体と胞子

変形体透明変形体であり、サンゴ状となった後に盛り上がり丸くなってから子実体形成に適した場所に移動する[3](図3)。

3a. 子実体形成期のムラサキホコリ
3b. 子実体形成中のムラサキホコリ

分布・生態

子実体は腐朽木上に生じるものが多いが(図4)、リター(落ち葉など)や生きた植物体上に生じるものもいる[2]

4a. 腐朽木上のバージニアムラサキホコリ
4b. 倒木上のムラサキホコリ

分類

2025年時点で、ムラサキホコリ属には以下の種が認められている[2][1](表1)。ただし、分子系統解析からこの意味でのムラサキホコリ属が単系統ではないことが示唆されている[4]

表1. ムラサキホコリ属の分類体系の一例[2][1]

脚注

注釈

  1. ^ オオムラサキホコリ(Stemonitis splendens)のシノニムとされることもある[1]

出典

  1. ^ a b c d e Stemonitis”. nomen.eumycetozoa.com. Real Jardín Botánico, CSIC (2005年 - 2025年). 2025年8月24日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h i 山本幸憲 (2021). “ムラサキホコリ属”. 日本変形菌誌. 日本変形菌誌製作委員会. pp. 509–511. ISBN 978-4-600-00729-4 
  3. ^ 萩原博光, 山本幸憲, 伊沢正名 (1995). “透明変形体”. 日本変形菌類図鑑. 平凡社. p. 137. ISBN 978-4582535211 
  4. ^ Gmoshinskiy, V. I., Prikhodko, I. S., Bortnikov, F. M., Shchepin, O. N. & Novozhilov, Y. K. (2023). “New genus Valtocarpus (Myxomycetes= Eumycetozoa): molecular phylogeny and morphological analysis of aethalioid species in the order Stemonitidales”. Protistology 17 (4): 216-232. doi:10.21685/1680-0826-2023-17-4-3. 

外部リンク

  • Stemonitis”. nomen.eumycetozoa.com. Real Jardín Botánico, CSIC (2005年 - 2025年). 2025年8月24日閲覧。

ムラサキホコリ属

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/04/27 04:57 UTC 版)

ムラサキホコリ」の記事における「ムラサキホコリ属」の解説

一般に子実体の軸(基部)が比較長く接地面胞子離れている。また、胞子部分細長く、これにより子実体全体としてガマの穂、ないしチョコバナナのように見える。

※この「ムラサキホコリ属」の解説は、「ムラサキホコリ」の解説の一部です。
「ムラサキホコリ属」を含む「ムラサキホコリ」の記事については、「ムラサキホコリ」の概要を参照ください。

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