ムスタング (エレクトリックギター)とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > ムスタング (エレクトリックギター)の意味・解説 

フェンダー・ムスタング

(ムスタング (エレクトリックギター) から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/05/11 08:55 UTC 版)

フェンダー・ムスタング
Fender Mustang
1968年製ムスタング
メーカー/ブランド フェンダー
製造時期 1964年-1982年
1986年-
構造
ボディタイプ ソリッド
スケール長 24インチ(609.6mm)又は22.5インチ(571.5mm/初期のみの設定)
フレット 21または22
ネックジョイント ボルト・オン
材質
ボディ アルダー、アッシュ、バスウッドまたはポプラ
ネック メイプル
フィンガーボード メイプルまたはローズウッド
ハードウェア
ブリッジ ダイナミック・ヴィブラート
電気系統
ピックアップ シングルコイル×2
テンプレート | カテゴリ

フェンダー・ムスタング(Fender Mustang)は、1964年に発売開始されたフェンダー社のエレクトリック・ギター。英語としての発音は「マスタング」がより近いが[1]、フェンダージャパンによっては「ムスタング」と公式に呼称される[2]

1982年にアメリカでの生産は終了したが[3]1986年からフェンダー・ジャパンが生産を開始。現在も販売されている。最近では、アメリカでもクラシック・シリーズ '65 ムスタングと称して、日本より輸入して発売されている。

仕様

1964年、フェンダーのスチューデントモデルとして登場した[3]。 兄弟機種であるミュージックマスターデュオソニックなどと同じくショートスケールであるが[4]、他のスチューデントモデルには装備されていないトレモロ・ユニット「ダイナミック・ヴィブラート」が搭載されている。軽い力でアームの操作が可能。 また、スイッチの切替によって、アウト・オブ・フェイズ・サウンドを出せるのも特徴。

発売された当初は、22.5インチスケール (571.5mm) に21フレットのものと、24インチスケール (609.6mm) に22フレットのものとの2つの仕様で、塗装はラッカーフィニッシュであった。24インチスケールのネックには、細めのAネックと通常サイズのBネックの2種類がある。

CBSによるフェンダー買収3年後の1968年には、ボディにレーシング・ストライプの描かれたコンペティション・ムスタングが発表され、1974年まで発売された。ボディー材には、アルダーが使われていた。

1974年から1982年に掛けては、アッシュ材を使用。指板は、メイプルとローズウッドを選べるようになっていた。

1986年から、フェンダー・ジャパンよりリイシュー・ムスタングが発売。バスウッド材のMG-69,MG-73/co、ポプラ材のMG-65、そしてアッシュ材のMG-77がある。

派生機種

ベースバージョンの「ムスタング・ベース」や、ミュージックマスターにムスタングのダイナミック・ヴィブラートを付けたようなギター「ブロンコ」、カート・コバーンがムスタングとジャガーを基にデザインしたギター「ジャグスタング」(カート本人は晩年のわずかな期間のみ使用)、ボディ厚を増し、ダイナミック・ヴィブラートの代わりにシンクロナイズド・トレモロユニットを搭載した、ミディアムスケールの「サイクロン」や「サイクロンII」など、派生機種が数多く存在する。

サウンド

弾けるような高音域と、その小ぶりなボディーから想像も出来ない暴れまわるようなサウンドを発生させることから多くのミュージシャンに愛用されてきた。60年代には主にサーフ・ミュージックにおいて愛用され、90年代以降はジャガージャズマスターなどと共に、グランジシューゲイザーなどのオルタナティヴ・ロックにおいてカルト的人気を博した。

ムスタングは、他のフェンダー製ギターに比べて仕様が独特なため、サウンドも個性的である。主な特徴としては、1. ショートスケールであるためにサステインが短い、2. 搭載されているシングルコイルの低音は、ややチープである、3. アームは、使う度にチューニングが狂う、などである。これらは難点ともいえるが、一方で長所や個性として捉えると、1については歯切れの良いサウンド、2については低音が薄いために音の抜けは良い、3については軽く触れるだけでアーミングが可能(小指が当たるだけで動くほど軽い)、と考えることもできる。

ピックアップはスイッチングの使い分けにより、2つそれぞれのシングルコイルとは別に、2つを直列にした厚みのある音、フェイズアウトした鼻をつまんだような音と4つのサウンドバリエーションがある。

代表的な使用ミュージシャン

出典

  1. ^ Mustangの意味・使い方”. 英辞郎 on the WEB. 2023年3月8日閲覧。
  2. ^ Mustang”. Fender. 2023年3月8日閲覧。
  3. ^ a b Fender Custom Shop Char Signature Mustang® “Pinkloud””. zicca.net. 2023年3月8日閲覧。
  4. ^ ショートスケールのモデルは、手が小さいプレイヤーに最適ですか?”. Fender. 2023年3月8日閲覧。

外部リンク


「ムスタング (エレクトリックギター)」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ムスタング (エレクトリックギター)」の関連用語

ムスタング (エレクトリックギター)のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ムスタング (エレクトリックギター)のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのフェンダー・ムスタング (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS