マーデルング・エネルギーの導出とは? わかりやすく解説

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マーデルング・エネルギーの導出

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/20 10:07 UTC 版)

イオン結合」の記事における「マーデルング・エネルギーの導出」の解説

はじめに2つイオン間の相互作用について考える。陽イオン陰イオン電荷それぞれ ± q {\displaystyle \pm q} とすると、イオン i {\displaystyle i} と j {\displaystyle j} の間の相互作用エネルギー U i j {\displaystyle U_{ij}} は U i j = λ e − r i j ρ ± q 2 r i j {\displaystyle U_{ij}=\lambda e^{-{r_{ij} \over \rho }}\pm {q^{2} \over r_{ij}}} (1) と書くことができる。イオン i {\displaystyle i} と j {\displaystyle j} の間の距離を r i j {\displaystyle r_{ij}} とした。第1項パウリの排他律による斥力ポテンシャルで、 λ {\displaystyle \lambda } と ρ {\displaystyle \rho } はそれぞれ斥力大きさ斥力が働く距離を決定するパラメータである。第2項クーロンポテンシャルを表す。 (1)式の + {\displaystyle +} 符号同種の電荷に対して、 − {\displaystyle -} 符号異種電荷に対してとる。ただし、イオン結晶でのファンデルワールス力部分凝集エネルギーの 1 ∼ 2 % {\displaystyle 1\sim 2\%} 程度比較小さな寄与し与えないので、ここでは無視した次に結晶について考える。結晶最近イオン間距離を R {\displaystyle R} とおき、 r i j = p i j R {\displaystyle r_{ij}=p_{ij}R} となる p i j {\displaystyle p_{ij}} を導入すると 2 N {\displaystyle 2N} 個のイオンからなる結晶の全格子エネルギー U t o t {\displaystyle U_{tot}} は、 U t o t = N ( z λ e − R ρ − α q 2 R ) {\displaystyle U_{tot}=N{\biggl (}z\lambda e^{-{R \over \rho }}-{\alpha q^{2} \over R}{\biggr )}} (2) と書くことができる。ただし斥力ポテンシャルは、最近イオン間相互作用のみを考慮しそれ以外無視した。 z {\displaystyle z} は最近イオンの数である。 α {\displaystyle \alpha } はマーデルング定数とよばれ、 α = ∑ j S i j p i j {\displaystyle \alpha =\sum _{j}{S_{ij} \over p_{ij}}} で定義する。ただし S i j {\displaystyle S_{ij}} はイオン i {\displaystyle i} と j {\displaystyle j} が異符号のときは + 1 {\displaystyle +1} 、同符号のときは − 1 {\displaystyle -1} をとる。 イオン静止した温度ゼロの状態を考える。圧力ゼロという条件の下では、体積に対して U t o t {\displaystyle U_{tot}} が最小となる。これは平衡距離 R 0 {\displaystyle R_{0}} で U t o t {\displaystyle U_{tot}} が最小となることに等しいので d U t o t d R = 0 {\displaystyle {dU_{tot} \over dR}=0} が成り立つ。(2)式より R 0 2 eR 0 ρ = ρ α q 2 z λ {\displaystyle {R_{0}}^{2}e^{-{R_{0} \over \rho }}={\rho \alpha q^{2} \over z\lambda }} 平衡距離 R 0 {\displaystyle R_{0}} での2個のイオンからなる結晶の全格子エネルギーU t o t = ρ R 0 ⋅ N α q 2 R 0 − N α q 2 R 0 {\displaystyle U_{tot}={\rho \over R_{0}}\cdot {N\alpha q^{2} \over R_{0}}-{N\alpha q^{2} \over R_{0}}} と書ける。第1項斥力項、第2項クーロン項すなわちマーデルング・エネルギーを表す。

※この「マーデルング・エネルギーの導出」の解説は、「イオン結合」の解説の一部です。
「マーデルング・エネルギーの導出」を含む「イオン結合」の記事については、「イオン結合」の概要を参照ください。

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