マルヤムの重要性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/25 02:17 UTC 版)
「マルヤム (クルアーン)」の記事における「マルヤムの重要性」の解説
本章がその名を負う人物であるマルヤムはクルアーン全体でも唯一名前を言及される女性である。彼女には本章28節において「ハールーンの姉」なる称号が付与され、イーサーは本章34節において彼女との家族関係によって言及される; 個人が家族の男性の家系によって識別される文化・文脈において、「マルヤムの息子」という識別称号はマルヤムが母であることを非常に強調するために使われる。こうして強調することでイーサーの生誕にまつわる特異な環境に対する注意を引いているのである; というのもそれは生物学的な過程によるものではなく、いかなる父親も関わらない - 神がイーサーの父であることははっきりと否定される。テクスト中ではマルヤムが子を産む際の苦しみが詳細に記述されているが、彼女はこんな苦しみを受けるぐらいならもっと早く死んでいればよかったとまで思っている。こうした甚大な苦痛にもかかわらず、神は憐れみ深く彼女の求めに丁寧に応じる存在として描かれる; 彼は彼女に悩まないよう促し、食料を与える。本テクストを読んだフェミニスト達はこの生誕の取り扱いを、その重要性を明確化したものだと指摘している。 マルヤムと天使ジブリール(ガブリエル)の相互作用は当時の伝統的なジェンダー役割を示していると指摘する学者もいる; 孤独な女性マルヤムが男性ジブリールに出会った際、彼女が最初にとった行動はその状況の不適切さや天使の意図を斟酌する際の不確実さにおびえることであった。ジブリールが自分は神の使者として来たと彼女に述べてからやっとマルヤムは彼の言葉を聞き、彼に質問することができている。
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