マジェスティック_(空母)とは? わかりやすく解説

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メルボルン (空母)

(マジェスティック_(空母) から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/07 04:01 UTC 版)

マジェスティック
HMS Majestic
メルボルン
HMAS Melbourne
基本情報
建造所 ヴィッカース・アームストロング
運用者  イギリス海軍
 オーストラリア海軍
艦種 航空母艦
級名 マジェスティック級航空母艦
モットー Vires Acquirit Eundoラテン語
"She Gathers Strength As She Goes"
艦歴
起工 1943年4月15日
進水 1945年2月28日
就役 1955年10月28日
退役 1982年6月30日
その後 中国、大連で廃棄
要目
基準排水量 15,740トン
満載排水量 20,000トン
全長 214 m
最大幅 24 m
吃水 7.5 m
最大速力 24ノット (44 km/h)
航続距離 12,000海里 (22,000 km)/14ノット時
乗員 1,355名(航空要員347名含む)
士官75名、兵員955名(旗艦時)
搭載機 航空機、ヘリコプター27機以上
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メルボルン英語: HMAS Melbourne, R21)は、オーストラリア海軍航空母艦。元はイギリス海軍マジェスティック級航空母艦1番艦、マジェスティック(HMS Majestic, R77)であった。

設計

艦歴

マジェスティックは1943年4月15日にバロー・イン・ファーネスヴィッカース・アームストロング社で起工し、1945年2月28日に進水した。建造は1946年5月に中断されたが、1947年に姉妹艦のテリブルHMS Terrible, R93)と共にオーストラリア海軍への売却が決定し、建造は1949年に再開した。

しかしながら、空母の最新技術であるアングルド・デッキ(5.5度[1])や蒸気カタパルトを導入したため、就役まで6年の作業を要した。1955年10月28日、トーマス・ホワイトオーストラリア総督の夫人によってメルボルンと改名され、オーストラリア海軍旗艦として就役した。また、1962年5月に親善訪問として日本の長崎神戸横浜に寄航した経歴がある。

1964年2月10日午後9時頃(日本時間午後8時頃)、メルボルンはニューサウスウェールズ州沖合のジャーヴィス湾で公試中にデアリング級駆逐艦ヴォイジャー英語版」と衝突事故を起こす。この事故でヴォイジャーは約3時間後に沈没し、82名が死亡した。1969年6月3日には南シナ海においてアメリカ海軍アレン・M・サムナー級駆逐艦フランク・E・エヴァンズ英語版」と衝突事故を起こし、エヴァンズは艦首部分が切断、74名が死亡した。両方の事故とも、夜間にステーション任務にあったメルボルンの艦首を駆逐艦が横切ったために発生し、駆逐艦の操艦ミスが原因だったと考えられる。

メルボルンは1980年代初めに修理が必要となった。しかしながらオーストラリア政府は後継となる空母の取得を行うこととし、その過程でアメリカからエセックス級航空母艦制海艦を購入することも検討したが、最終的にイギリスからインヴィンシブル級航空母艦の購入を決定した[2]。メルボルンは1982年6月30日に解役され、シドニーで保管された。その後、1985年2月に中国造船連合公司に売却され、大連解体された。

しかし、メルボルンは中国の空母研究に貢献したと疑われている。一説によると、中国に到着した時点で蒸気カタパルトなどの航空艤装はほとんど残ったままであり、中国人民解放軍海軍(中国海軍)がメルボルンから飛行甲板や航空艤装のほとんどを撤去して研究し、空母建造に用いたという[要出典]。また、メルボルンは2002年まで完全には解体されず、飛行甲板のレプリカないしその実物が中国海軍の空母艦載機パイロットの訓練に用いられた他、メルボルンから回収された大量の装備品が、空母建造を提唱した劉華清が中国政府からの支持を取り付けるのに役立ったとされる[要出典]。ただ、最初から中国海軍がメルボルンの買収を検討していたのか、それとも単に状況を利用したのかについては、現在でも不明である。

脚注

  1. ^ http://www.navy.gov.au/The_angled_flight_deck
  2. ^ ただし購入予定だったイギリスのインヴィンシブルは、フォークランド紛争の結果イギリスが売却を撤回したため、結局オーストラリア海軍は空母を失う事となった。なおイギリスはインヴィンシブルの代わりにハーミーズを購入するのはどうかと提案したとされるが、結果的にこれも実を結ばなかった。

参考文献

  • 編集部「特集・世界の艦艇輸出問題」『世界の艦船』第314号、海人社、61-77頁、1982年2月。 

関連項目

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