ボレルポリゴン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/18 03:04 UTC 版)
級数 A(z) の収束半径が厳密に正であると仮定すると、A(z) は原点を含む非自明な領域で解析的となる。今、SA を A の特異点集合とすると、P ∈ C が P ∈ SA を満たすということと A が原点 O から P への開線分に沿って解析接続できるということが同値となる。P ∈ SA に対して、LP で P を通り直線 OP に垂直な直線の集合とする。集合 ΠP を Π P = { z ∈ C : O z ∩ L P = ∅ } {\displaystyle \Pi _{P}=\{z\in \mathbf {C} \,\colon \,Oz\cap L_{P}=\varnothing \}} と定めると、この集合の元は原点と LP が同じ側にあるような点からなる。A のボレルポリゴン ΠA は Π A = cl ( ⋂ P ∈ S A Π P ) {\displaystyle \Pi _{A}=\operatorname {cl} \left(\bigcap _{P\in S_{A}}\Pi _{P}\right)} となる。 ボレルと Phragmén の手による別の定義が用いられることもある(Sansone & Gerretsen 1960)。S を A が解析的となるような最大の星型領域とするとき、ΠA は任意の点 P ∈ ΠA に対してOP を直径とする円の内部がS に含まれるような、S の最大の部分集合となる。この集合 ΠA は多角形とは限らないので、「ポリゴン」と呼ぶことはいささか不適切ではあるが、しかし A(z) が特異点を有限個しか持たなければ ΠA は実際に多角形となる。ボレルと Phragmén による次の定理はボレル総和法に対する収束判定法を与える。 定理 (Hardy 1992, 8.8) (B)の意味において、級数 A(z) は int(ΠA) 上総和可能であり、C ∖ ΠA 上発散する。 境界上の点 z ∈∂ ΠA での総和可能性については、その点における級数の性質に依存する。
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