ペントキサゾンとは? わかりやすく解説

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ペントキサゾン

分子式C17H17ClFNO4
その他の名称3-[2-Fluoro-4-chloro-5-(cyclopentyloxy)phenyl]-5-isopropylideneoxazolidine-2,4-dione、ペントキサゾン、Pentoxazone、3-(4-Chloro-5-cyclopentyloxy-2-fluorophenyl)-5-isopropylideneoxazolidine-2,4-dione、3-(4-クロロ-5-シクロペンチルオキシ-2-フルオロフェニル)-5-イソプロピリデン-1,3-オキサゾリジン-2,4-ジオン
体系名:3-[2-フルオロ-4-クロロ-5-(シクロペンチルオキシ)フェニル]-5-イソプロピリデンオキサゾリジン-2,4-ジオン、3-(4-クロロ-5-シクロペンチルオキシ-2-フルオロフェニル)-5-イソプロピリデンオキサゾリジン-2,4-ジオン


ペントキサゾン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/07 21:46 UTC 版)

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ペントキサゾン[1]
識別情報
CAS登録番号 110956-75-7
特性
化学式 C17H17ClFNO4
モル質量 353.77 g mol−1
外観 白色の結晶性粉末
匂い 無臭
密度 1.418g/cm3
融点

104 °C, 377 K, 219 °F

沸点

(230℃付近で変性)

への溶解度 0.000216g/l
有機溶媒への溶解度 ヘキサン 5.1g/l
イソプロパノール 12.9g/l
メタノール 24.8g/l
アセトンエタノールアセトニトリルジクロロメタンキシレンテトラヒドロフランジメチルスルホキシド酢酸エチル 100g/l以上
(いずれも25℃、OECD105、フラスコ法)
危険性
半数致死量 LD50 >5000mg/kg(ラット、経口[2]
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

ペントキサゾン: Pentoxazone)は、オキサゾリジンジオン骨格を持つ農業用除草剤である[3]

歴史

相模中央化学研究所チッソ科研製薬は、ビンクロゾリンに代表されるオキサゾリジン系の農業用殺菌剤の創製に向けた研究を行う過程で、オキサゾリジン環の第5位にイソプロピリデン基を持つ化合物が、光要求性の殺草活性を持つことを1984年に発見した。この研究をもとに作られた数種の候補化合物から、効能や安全性を検討し、本物質が絞り込まれた。日本植物調整剤研究協会への委託試験や工業的製造法の検討を経て、1997年12月に水和剤「ベクサーフロアブル」、クミルロンとの混合剤「草笛フロアブル」、ダイムロンとの混合剤「テマカットフロアブル」などが農薬登録を取得した[1]

効能

水田ノビエタマガヤツリコナギアゼナなどの一年生雑草やマツバイに対して有効であるが、多年生のホタルイやミズガヤツリ、ウリカワに対する効果は不十分である。このため、多年生雑草に効果を持つダイムロンなどとの混合剤も市販されている。散布時期は、雑草の発生前から成育始期にかけてが有効である[1]。本物質を使用した製剤は、単剤の「ベクサー」、混合剤の「草笛」「ザ・ワン」「ショキニー」などが市販されている[2][3]

本物質の作用機序は、植物のクロロフィル生合成経路のうちプロトポルフィリノーゲンIXからプロトポルフィリンIXへの過程を触媒するプロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ阻害する。生合成経路を断たれたプロトポルフィリノーゲンⅨは非酵素的に酸化され、プロトポルフィリンIXとなり細胞内に蓄積する。この中間体は光増感作用により細胞中に活性酸素を発生させ、チラコイド膜等の膜脂質の過酸化を引き起し、除草対象となる植物を枯死させるものと考えられている[2]

一日摂取許容量(ADI)は0.23mg/kg 体重/日と定められている[4]。2004農薬年度(前年10月~翌年9月)における日本国内の原体生産量は78.0トン、輸入量は68.0トンであった[5]

脚注

参考文献

  • 植村振作・河村宏・辻万千子・冨田重行・前田静夫著『農薬毒性の事典 改訂版』三省堂、2002年。ISBN 978-4385356044


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