ペアリング暗号
【英】Pairing-based cryptography
ペアリング暗号とは、公開鍵暗号の一種で、「ペアリング」と呼ばれる双線形写像を用いた暗号技術のことである。
ペアリング暗号は離散対数問題に基づく暗号方式で、楕円曲線暗号を発展させた方式とされる。従来の公開鍵暗号では実現困難な高度な機能が実現可能である点を大きな特徴としており、たとえば「IDベース暗号」や「検索可能暗号」、「関数型暗号」などの技術が実現できるという。ペアリング暗号は2001年に開発された技術で、2012年現在、安全性の評価検証などが行われている。「RSA暗号」や「楕円曲線暗号」に続く、次世代(第3世代)暗号技術として標準化が期待されている。
2012年6月に、情報通信研究機構(NICT)、九州大学、富士通の共同研究チームは、278桁(923ビット)の桁長を持ち「解読の十万年かかる」といわれていたペアリング暗号の解析が148日間で解読できる脆弱なものであったという研究結果を発表した。278桁長さの暗号解読に成功した事例は世界記録であるという。
参照リンク
次世代暗号の解読で世界記録を達成 - (独立行政法人情報通信研究機構 プレスリリース 2012年6月18日)
ペアリング暗号 - (筑波大学システム情報工学研究科リスク工学専攻 暗号・情報セキュリティ研究室)
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