ベッセルの不等式とパーセヴァルの公式とは? わかりやすく解説

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ベッセルの不等式とパーセヴァルの公式

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/13 01:23 UTC 版)

ヒルベルト空間」の記事における「ベッセルの不等式とパーセヴァルの公式」の解説

H の有限正規直交系 ƒ1, …, ƒn と H の任意のベクトル x に対して y = ∑ j = 1 n ⟨ x , f jf j {\displaystyle y=\sum _{j=1}^{n}\langle x,f_{j}\rangle f_{j}} と置くと、各 k = 1, …, n に対して ⟨x, ƒk⟩ = ⟨y, ƒk⟩ が成り立つ。故に x − y は各ƒk に直交し、従って x − y は y に直交する三平方の定理二度使い ‖ x ‖ 2 = ‖ x − y ‖ 2 + ‖ y ‖ 2 ≥ ‖ y ‖ 2 = ∑ j = 1 n | ⟨ x , f j ⟩ | 2 {\displaystyle \|x\|^{2}=\|x-y\|^{2}+\|y\|^{2}\geq \|y\|^{2}=\sum _{j=1}^{n}|\langle x,f_{j}\rangle |^{2}} が得られる。さらに {ƒi} (i ∈ I) を H の任意の正規直交系とするとき、I の任意の有限部分集合 J に対して先ほど不等式適用すれば、(非負実数任意濃度の族の和の定義に従ってベッセルの不等式 ∑ i ∈ I | ⟨ x , f i ⟩ | 2 ≤ ‖ x ‖ 2 , x ∈ H {\displaystyle \sum _{i\in I}|\langle x,f_{i}\rangle |^{2}\leq \|x\|^{2},\quad x\in H} が得られる幾何学的には、ベッセルの不等式言っているのは、x の fi たちが生成する部分空間の上への直交射影ノルムは x のノルム超えないということである。二次元の場合言えば、これは正三角形の足の長さ斜辺長さ越えないということになる。 ベッセルの不等式はからは、より強力なパーシヴァルの等式得られる。これはベッセルの不等式不等号等号取り替えたものになっている。{ek}k ∈ B が H の正規直交基底ならば、H の各元 x は x = ∑ k ∈ B ⟨ x , e ke k {\displaystyle x=\sum _{k\in B}\langle x,e_{k}\rangle e_{k}} という形に書くことができる。ベッセルの不等式によって B が非可算場合にも、このような表示が意味を持ち可算個の例外を除く各項が 0 に等しいことが保証されるこのような和を x のフーリエ展開呼び個々係数 ⟨x,ek⟩ を x のフーリエ係数と呼ぶ。このとき、パーセヴァルの等式は ‖ x ‖ 2 = ∑ k ∈ B | ⟨ x , e k ⟩ | 2 {\displaystyle \|x\|^{2}=\sum _{k\in B}|\langle x,e_{k}\rangle |^{2}} と書ける。逆に正規直交系 {ek} が任意の x においてパーセヴァルの等式満足するならば、{ek} は正規直交基底になる。

※この「ベッセルの不等式とパーセヴァルの公式」の解説は、「ヒルベルト空間」の解説の一部です。
「ベッセルの不等式とパーセヴァルの公式」を含む「ヒルベルト空間」の記事については、「ヒルベルト空間」の概要を参照ください。

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