ヘキソキナーゼII
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/16 15:26 UTC 版)
「ヘキソキナーゼ」の記事における「ヘキソキナーゼII」の解説
ヘキソキナーゼIと同様に、筋肉においてグルコース-6-リン酸を生産している酵素。インスリンにより、ヘキソキナーゼIV等の代謝に関連する酵素とともにその発現は調整されている。具体的には、インスリンはヘキソキナーゼIIの転写を促進する効果を持つ。この効果は、例えば、食事を摂り過剰のグルコースを取り込んだときに働く。グルコース濃度の上昇はインスリンの分泌を促し、解糖を介したグルコースの燃焼を促す。 通常、ヘキソキナーゼIIはその最大あるいはそれに近い酵素反応速度で働いている。なぜなら、血中(グルコース濃度は約4~5 mM)から筋細胞に取り込まれたグルコースは、細胞中のヘキソキナーゼIIを飽和するのに十分な濃度をもたらすためである。ヘキソキナーゼIIはグルコースとの親和性が強く、その1/2飽和濃度は約0.1 mMと低い。 ヘキソキナーゼIIはIと同様にその生成物であるグルコース-6-リン酸からアロステリック阻害を受ける。すなわち、細胞内のグルコース-6-リン酸の濃度が正常よりも高くなると、一時的にその生産が抑えられる。これは、ヘキソキナーゼIIの酵素反応を定常状態に復帰させ、グルコース-6-リン酸の生成速度と利用速度のバランスを保つ。
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