プロリン異性化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/09 21:30 UTC 版)
異性化は、ある分子が異なる構造的コンフォメーションをとるよう変換する過程である。プロリン異性化(英語版)は、ヒストンテールの修飾に重要な役割を果たす。Fpr4はプロリルイソメラーゼ(PPIase)であり、ヒストンのプロリン(P)残基のシス・トランス異性体の変換を行う。Fpr4はヒストンH3のN末端領域のいくつかのプロリン残基(P16、P30、P38)に対して触媒活性を持つが、P38に対して最も優先的に結合する。 H3P38はH3K36の近傍に位置し、P38の変化はK36のメチル化状態に影響を及ぼす。P38はシスとトランスの2つの異性体が可能であるが、これらは互いに反対の影響を引き起こす。シス型はコンパクトなヒストンを誘導し、タンパク質のDNAへの結合能力を低下させる。そのためK36のメチル化は阻害され、遺伝子の転写は減少する。逆にトランス型はより開いたヒストン構造を促進し、K36のメチル化が可能となって遺伝子の転写が増加する。
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