プロット・デバイスを使った物語
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/22 09:29 UTC 版)
「プロット・デバイス」の記事における「プロット・デバイスを使った物語」の解説
多くの物語(特にファンタジー)では、王冠や剣、宝石など、大きな魔法の力を持つアイテムが登場する。多くの場合、主人公はそのアイテムを見つけ出し、悪者に利用される前に正しい使い方をすることが求められる。また、悪者によってアイテムが壊されてしまった場合には、元に戻すためにライバルや敵対する相手から集めなければならない欠片を回収する必要があったり、アイテム自体が邪悪な物である場合にはそれを破壊する必要がある。場合によっては、アイテムを破壊することが悪者自身の破壊や破滅につながることもある。 映画『インディ・ジョーンズ』シリーズでは、作品ごとにジョーンズが神秘的なアーティファクトを探し求める姿が描かれている。『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』では聖櫃を取り戻そうとし、『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』では聖杯を探している。また、『アラビアンナイト』の「真鍮の街」では、かつてソロモン王がジンを捕らえるために使ったという真鍮の器を探すために、考古学探検隊の一行がサハラ砂漠を旅するという物語が記されている 。 『ハリー・ポッター』シリーズのいくつかの作品は、特別なアイテムを探すことをテーマにしている。『ハリー・ポッターと賢者の石』では、ハリーは自分の通うホグワーツ魔法魔術学校に特別な力を持つ魔法の石があると信じている。ヴォルデモート卿は自分の体を取り戻すためにこの石を必要としており、ハリーはヴォルデモートの復活を阻止するためにまずこの石を探そうとする。 J・R・R・トールキンの小説『指輪物語』に登場する「一つの指輪」は、それを破壊するための冒険が小説における全プロットを動かしていることから、プロット・デバイスに分類される。しかし、英国の古典学者ニック・ロウは次のように述べている。「トールキンは全体的に、指輪の力の恣意性を最小限に抑え、指輪の力がその使い手の性格を形成し、またその逆も然りという点を彼の作品を模倣する者よりも強調することで、このトリックから逃れているのである」。
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