ブロントサウルスの名称問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/29 15:29 UTC 版)
「アパトサウルス」の記事における「ブロントサウルスの名称問題」の解説
発見された化石に Brontosaurus (仮名転写:ブロントサウルス、古くは、ブロントザウルス)という学名をつけたのは、発見者であるアメリカの古生物学者オスニエル・チャールズ・マーシュである。彼はその当時、同業のエドワード・ドリンカー・コープと恐竜の化石発掘を競っており(化石戦争参照)、同じ種に別の名称をつけることがしばしばあった。先に論文を発表したほうに学名の命名権が与えられていたため、多少間違えていても相手より先に論文に記載していたのである。 1903年に、米国シカゴにあるフィールド自然史博物館の館長エルマー・S・リグス(en)が再検討したところ、ブロントサウルスの発見以前にマーシュが発見していたアパトサウルスが、ブロントサウルスの若い個体であるとされたがゆえに、「先に発表していた学名が正式名称になる」という規則に従って、この種は Apatosaurus (アパトサウルス)という学名に変更された。 しかし、リグスの論文は一般には知られることなく、Brontosaurus (ブロントサウルス)の名称は各地の博物館や一般書などでその後も広く使われ、普及することになった。アパトサウルスという正式名称が広まりつつはあるが、2010年代の現在でもブロントサウルスという名称の方に馴染みのある人は多い。 一方で、Brontosaurus (ブロントサウルス)と命名されていた化石骨格は、アパトサウルスの胴体にカマラサウルスの頭骨が載る等、複数種の化石の混同によって復元されていた事が判明し、無効とされたが、 2015年に、エマニュエル・チョップ、オクタビオ・マテウス、ロジャー・ベンソンは、二属の関係について広範な研究を行い、ブロントサウルスは確かにアパトサウルスとは異なる竜脚類の有効属であると結論づけた。この結論に支持が広がりつつある。
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