フォーカスシフトとBeOSの終焉
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/19 17:27 UTC 版)
「BeOS」の記事における「フォーカスシフトとBeOSの終焉」の解説
2000年にBeOSの第三の転機が訪れる。BeOS Release 5(R5、コードネームMaui)は、従来の個人ユーザー中心のパッケージ販売から、以下のような提供形態に切り替えることが発表された。 BeIA(コードネームStinger) - インターネットアプライアンス (IA) 向けのOEM供給。ビジネス的にはこれを主力とする。 BeOS Personal Edition (PE) - 個人非商用向け無料バージョン。ダウンロード配布され、Windows上でFATパーティション内にインストールすることができる(実際の動作は通常通り独立したOSとして動作する)。 BeOS Pro Edition - 従来のパッケージ販売の後継。PCで本格的に利用するユーザー向け。 これは、業績が芳しくない個人向け市場から、当時注目を集めていたIA市場へとシフトしたもので、米ソニーのIA「eVilla」などに採用された。また、無料でインストールも簡単なPEの存在も目を引いた。 しかし、IA市場そのものがそれほど発展しなかったこともあり、ビジネス的には苦しい状況が続いた。開発中のR5.1(コードネームDano)は日の目を見ることなく、2001年にBe社の知的資産はパーム(旧PalmSource、現ACCESS Systems)に売却され、Be社は解散した。これにより、Be社によるBeOSの歴史は終わりを告げた。 このように、BeOSの歩みはハードウェアを転々としてきた歴史でもある。これについても、BeOSの移植性の高さの賜物として肯定的にとらえる意見と、ユーザーを切り捨ててきた歴史として批判する意見とがある。
※この「フォーカスシフトとBeOSの終焉」の解説は、「BeOS」の解説の一部です。
「フォーカスシフトとBeOSの終焉」を含む「BeOS」の記事については、「BeOS」の概要を参照ください。
- フォーカスシフトとBeOSの終焉のページへのリンク