フェリーなみじとは? わかりやすく解説

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フェリーなみじ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/02 07:32 UTC 版)

フェリーなみじ
基本情報
船種 フェリー
船籍 日本
所有者 九州商船
運用者 九州商船
建造所 神田造船所川尻工場(第311番船)[1]
航行区域 沿海[1]
船級 JG(第二種船)[1]
信号符字 JM5701
IMO番号 8713988
MMSI番号 431601676
経歴
起工 1987年7月27日[1]
進水 1987年9月26日[1]
竣工 1987年11月30日[1]
就航 1987年12月7日
運航終了 2025年
要目
総トン数 1,150 トン[1]
載貨重量 597.41 トン[1]
全長 75.10 m[1]
垂線間長 68.00 m[1]
型幅 13.80 m[1]
型深さ 4.80 m[1]
満載喫水 3.70 m[1]
機関方式 ディーゼル
主機関 ダイハツ 8DLM-32(L) 2基[1]
推進器 5翼2軸[1]
最大出力 5,600 PS(連続)[1]
定格出力 4,760 PS(常用)[1]
最大速力 17.864 ノット[1]
航海速力 16.2ノット[1]
航続距離 1,300海里[1]
旅客定員 432名[1]
乗組員 26名[1]
車両搭載数 8トントラック6台、乗用車30台
または8トントラック17台[1]
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フェリーなみじは、九州商船が運航していたフェリー

概要

神田造船所川尻工場で建造され、1987年12月7日に航路に就航した。

2025年4月時点で、本船は就航から37年が経過しており、定期航路で就航しているフェリーとしては日本国内で最も古い船であった[2]。車両積み込みのために観音開きになる船首部構造が特徴。

2025年3月18日、フェリーなみじに替わる形でフェリーニューこしきが就航することが発表された[3]。2025年5月29日をもって定期航路から退いたが、その後についての発表はなされていない。

就航航路

佐世保港を起点に1日2往復を運航していた。
同じく上五島航路に就航しているいのりのドック期間中は、小値賀島、宇久島へ延長運航され、1日1往復していた。

設計

全通船楼甲板型の自動車渡船兼旅客船である。減揺装置としてフィンスタビライザーアンチローリングタンクを装備する。船内電源は、ダイハツ製原動機(360PS)を動力とする大洋電機製発電機(300kVA)を3セット搭載している[1]

船内

船室

  • 1等室
  • 2等指定室
  • 2等室

設備

  • 売店 - 現在は営業を行っていない。
  • 自動販売機

事故・インシデント

漁船との衝突

1989年7月17日、15時4分、定刻から約1時間30分遅れで宇久島の平港から佐世保港に向かっていた本船は、平港南防波堤灯台の南南東1,700mの地点で、青方港へ向かっていた漁船第八十八新東丸と衝突した。ほぼ停止した本船の左舷船首部に新東丸の右舷船首部が後方から約45度の角度で衝突、本船は左舷船首部の外板に長さ約3m、幅約40cmの凹損を生じ、新東丸は右舷側船首部のブルワークに長さ約6mにわたって曲損を生じた。当時、天候は霧で風がほとんどなく、視程は約200mと悪化していた。事故原因は新東丸が、霧中信号を吹鳴せず、航海灯を点灯しないまま過大な速力で航行し、レーダー監視が不十分であったことで発生したが、本船がレーダーで探知した新東丸と著しく接近することが避けられない状況となったとき、必要に応じて停止する措置が遅れたことも一因とされた[4]

桟橋との衝突

2020年12月21日夜、佐世保港の鯨瀬ターミナルに到着したなみじが着岸作業中の操船ミスによって桟橋にある車両乗り降り用可動橋に衝突[5]。船首部外板が凹むなどした。また、可動橋も先端部が破損し、翌2021年3月10日の修繕完了[6]までの間、同桟橋を使うすべての運航船において車両の乗り降りができない状態が続いた。

事故の影響

離島である宇久島(佐世保市宇久町)のごみ運搬車が、佐世保市本土と往復することが困難となった。島のごみ処理施設は事故の数ヶ月前に経費削減などを理由として廃止、フェリーを用いて佐世保市本土のごみ処理施設に運んで処理する仕組みになったばかりだった。

島のごみ処理施設を再稼動することも難しく、苦肉の策として、宇久島から博多港行きのフェリーにごみ運搬車を載せ、博多港から陸路で佐世保市へ運ぶ処置がなされ、結果的に多くのコストが発生する事態となった[7]

脚注

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x 船の科学(1988年5月号,p9)
  2. ^ 【船旅】昭和62年建造 我が国最古のフェリー・九州商船/フェリーなみじ(航海編) - Shikutan.com”. 2025年4月9日閲覧。
  3. ^ 佐世保~上五島航路「フェリーニューこしき」の就航について | 九州商船”. 2025年4月9日閲覧。
  4. ^ 長崎地方海難審判庁 (26 September 1990). 平成元年長審第85号 旅客船フェリーなみじ漁船第八十八新東丸衝突事件 (PDF) (Report). 海難審判・船舶事故調査協会. 2016年9月19日閲覧
  5. ^ 船舶事故調査報告書”. 2022年11月29日閲覧。
  6. ^ 長崎新聞 (2021年3月11日). “フェリー可動橋修繕、供用再開 車両乗り降り可能に 佐世保港鯨瀬 | 長崎新聞”. 長崎新聞. 2022年11月29日閲覧。
  7. ^ “宇久のごみ運搬車両、上陸できず 島の処理施設廃止が裏目に”. 長崎新聞社. (2021年1月30日). https://nordot.app/728071352274780160 2025年4月10日閲覧。 

参考文献

  • 「新造船写真集(No.475)」『船の科学』第41巻第5号、船舶技術協会、1988年5月10日、9頁、 ISSN 0387-0863NDLJP:32319112016年12月15日閲覧 

外部リンク


フェリーなみじ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/02 08:56 UTC 版)

九州商船」の記事における「フェリーなみじ」の解説

1987年11月竣工。1,150総トン全長75.1m、幅13.8m、出力5,600馬力航海速力16.2ノット旅客定員432名(最大582名)。神田造船所川尻建造

※この「フェリーなみじ」の解説は、「九州商船」の解説の一部です。
「フェリーなみじ」を含む「九州商船」の記事については、「九州商船」の概要を参照ください。

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