フィリピン人による国外への出稼ぎ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/21 05:01 UTC 版)
「出稼ぎ」の記事における「フィリピン人による国外への出稼ぎ」の解説
詳細は「en:Overseas Filipino Worker」を参照 フィリピンからはこれまで多くの国民が海外に渡って働き、母国の家庭に送金してきた。フィリピンの人口の1割に相当する1000万人がアメリカや中東諸国などをはじめとする母国の外で暮らす(永住者も含む)。フィリピン人の多くは英語が堪能であるため、世界中で働き、その外貨送金が国内の消費や成長を支えてきた。しかしその経済構造が2015年以降変わりつつある。フィリピン中央銀行によると2015年1月から11月の同国への銀行経由の外貨送金額は前年同期比3.6パーセント増の228億ドル(約2兆6000億円)であり、ここ数年6パーセント程度の増加を示していたのに比べると鈍化しており、2001年以来の低さになる。またフィリピン海外雇用庁によると、2014年に出稼ぎのため出国した国民は183万2668人であり、過去最多を記録した2013年に比べ3600人減った。この背景としては、年率6パーセントという新興国の中でも高い経済成長を続ける同国においては、国内雇用の拡大により、労働者の国内回帰が進んでいることがある。コールセンターなどの受託業務産業が拡大し、100万人を超える雇用を生み出したほか、他のサービス産業も活発化しているからである。それでもフィリピンの人口が年率2パーセント前後の増加を示していることから考えると、国内の労働市場ですべての労働人口を吸収するのは難しく、フィリピンの出稼ぎが大きく減るとは考えられていない。また、日本の船舶会社である日本郵船がフィリピンに商船大学を設立して乗務員を確保していることからも明らかなように、英語に堪能な人材の引き合いは世界各地で根強い。
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