ファジィ論理の実際
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/08 17:39 UTC 版)
ファジィ集合論では、ファジィ集合に関するファジィ演算を定義している。これを利用する際の問題は、適切なファジィ演算がどれなのかわからない場合があることである。そのため、ファジィ論理ではIF/THEN規則やそれに類するもの(例えばファジィ関係行列)を使うのが一般的である。 規則は以下のような形式で表現される。 IF 「変数」IS「集合」THEN 「アクション」を実行する。 例えば、ファンを使って温度を一定に保つ非常に単純な機器があるとしたら、次のような規則が考えられる。 IF 温度 IS 「非常に寒い」 THEN ファンを止める。 IF 温度 IS 「寒い」 THEN ファンを遅くする。 IF 温度 IS 「普通」 THEN ファンを一定に保つ。 IF 温度 IS 「暑い」 THEN ファンを速くする。 ELSE節がない点に注意されたい。全ての規則は同時に評価される。何故なら、温度は(程度の差はあっても)同時に「寒い」と「普通」の両方に属するといったことが考えられるからである。 ブール論理の論理演算 AND, OR, NOT に相当する演算がファジィ論理にもあり、例えば下記のように定義される。下記の定義はザデーのオリジナルの論文で定義されていたもので、ザデー演算子とも呼ばれる。ここで x と y はファジィ変数である。 NOT x = (1 - truth(x)) x AND y = minimum(truth(x), truth(y)) x OR y = maximum(truth(x), truth(y)) 他の演算として、より言語的な「ヘッジ(hedges)」がある。これは、数式で表される集合の意味(例えば「寒い」)を修飾する「非常に」とか「いくぶん」といった副詞に相当するものである。 プログラミング言語での応用として、Prologは規則群のデータベースに論理問い合わせを行う構造になっていて、ファジィ論理との相性が良い。このようなプログラミングを論理プログラミングという。
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