ピカチュリンとは? わかりやすく解説

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ピカチュリン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/26 15:23 UTC 版)

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EGFLAM
識別子
記号 EGFLAM, AGRINL, AGRNL, PIKA, EGF like, fibronectin type III and laminin G domains
外部ID OMIM: 617683 MGI: 2146149 HomoloGene: 65044 GeneCards: EGFLAM
遺伝子の位置 (ヒト)
染色体 5番染色体 (ヒト)[1]
バンド データ無し 開始点 38,258,409 bp[1]
終点 38,465,480 bp[1]
オルソログ
ヒト マウス
Entrez
Ensembl
UniProt
RefSeq
(mRNA)

NM_182801
NM_001205301
NM_152403
NM_182798
NM_182799

NM_001289496
NM_001289498
NM_178748

RefSeq
(タンパク質)

NP_001192230
NP_689616
NP_877950
NP_877953

NP_001276425
NP_001276427
NP_848863

場所
(UCSC)
Chr 5: 38.26 – 38.47 Mb Chr 5: 7.21 – 7.4 Mb
PubMed検索 [3] [4]
ウィキデータ
閲覧/編集 ヒト 閲覧/編集 マウス

ピカチュリン(英語:Pikachurin)は視覚神経伝達に関与する細胞外マトリックスタンパク質、もしくはこれをコードする遺伝子のことである。

概要

2008年大阪バイオサイエンス研究所の古川貴久らの研究チームにより報告された。生物の動体視力に関与していると考えられており、ゲーム『ポケットモンスター』に登場するキャラクターである「ピカチュウ」にちなんで命名された。リガンドの一種であり、ジストログリカン(dystroglycan)と呼ばれる糖タンパク質に対して結合する。

哺乳類の網膜には光受容体視細胞)が配列しており、ここで受容された光刺激は電気信号に変換されて、リボンシナプスの双極細胞および水平細胞に伝達される。ピカチュリンは細胞外マトリックスとしてこのリボンシナプス間隙に局在する。古川らはマウスを研究材料として視神経の伝達に関与するタンパク質を探索し、ピカチュリンを特定した。ピカチュリンはリボンシナプスのジストログリカンおよびジストロフィンdystrophin)と共局在している。両者と何らかの関係を持つと考えられており、ジストログリカンとの相互作用は実験的に確認されている。

ピカチュリンを欠失したマウスの変異体では、双極細胞の樹状突起の発達不良、信号伝達の遅延(伝達所要時間が正常体の約3倍)、動く物体への眼球の追従の遅れなど、様々な視覚異常が認められた。これらの結果から、ピカチュリンは光受容体と双極細胞の樹状突起との相互作用において不可欠な役割を担っていると考えられている。

ピカチュリンはヒトイヌにも存在するとされ、これらの動物において動体視力の良し悪しを決定する一因であると予想されている。またピカチュリンの発見は、ジストロフィンの異常が関係する筋ジストロフィー患者における網膜異常の解明にも貢献することが期待されている。

参考文献

  • Sato S, Omori Y, Katoh K, Kondo M, Kanagawa M, Miyata K, Funabiki K, Koyasu T, Kajimura N, Miyoshi T, Sawai H, Kobayashi K, Tani A, Toda T, Usukura J, Tano Y, Fujikado T, Furukawa Y (2008). “Pikachurin, a dystroglycan ligand, is essential for photoreceptor ribbon synapse formation”. Nature Neuroscience Published online.  doi:10.1038/nn.2160

関連項目

脚注


ピカチュリン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/22 02:39 UTC 版)

大阪バイオサイエンス研究所」の記事における「ピカチュリン」の解説

ピカチュリン(Pikachurin)は本研究所にて発見されタンパク質である。目に受けた光の刺激電気信号で脳に伝える際重要な働きをするタンパク質で、アニメ『ポケットモンスター』キャラクターピカチュウにちなん命名された。

※この「ピカチュリン」の解説は、「大阪バイオサイエンス研究所」の解説の一部です。
「ピカチュリン」を含む「大阪バイオサイエンス研究所」の記事については、「大阪バイオサイエンス研究所」の概要を参照ください。

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