パルス電撃の許容範囲
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/08/15 07:03 UTC 版)
「百人おどし」の実験とは、静電誘導の電荷が一気に人体を通して放電される現象である。すなわちライデン瓶またはコンデンサに接触した瞬間に、ごく短時間の間に波高値の高いパルス状の電流が人体を流れることである。 Dalzielらの研究によれば、人体の許容電流Iは電流継続時間tの平方根に反比例し、以下の式で表現される。 W = R I 2 t {\displaystyle W=RI^{2}t} 一般に、人体に対する電撃の強さは、印加された電圧値ではなく、人体を流れる電流値と相関がある。 商用交流で生命に危険が及ぶエネルギー限界値の下限は6.5~17Jとされる。パルス電撃の場合は、Dalzielは商用交流の2倍を提案している。これに従うと、13〜34Jに下限値が設定される。「商用交流で2mA、1秒程度の感電であれば絶対安全」ということを拠り所として人体に流れるパルス電撃の限界エネルギーを求めてみると、人体の抵抗を数kΩとして、約20mJとなる。 プラスチックコップによるライデン瓶で蓄えられる静電エネルギーは約5mJである。ただし、ライデン瓶を大型化したり並列に接続して蓄電すれば、たちまち人体に危険を及ぼす範囲に到達する。
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