パスクア
パスクア
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 03:18 UTC 版)
ピンザの母パスクア Pasqua (GB) はイギリス産。自身は未勝利馬で、それまで5頭の産駒も平凡なものだった。 1925年の2,000ギニーとダービーの二冠を制したマンナ(英語版) Manna (IRE) はダーリンが調教を手掛けた2頭めのダービー馬で、上海を拠点とする地金仲買人で『ノースチャイナ・デイリー・ニューズ(英語版)』紙の共同所有者ヘンリー・E・モリス(Henry E. Morriss)の持ち馬だった。モリスはダービーとオークスを制したフィフィネラ Fifinella (GB) の半妹で1,000ギニーとオークスを2着したソウブリケ Soubriquet (GB) をディスパーサルセールで1万2,500ギニーで購入し、種牡馬となったマンナを交配してパスカ Pasca (GB) を生産した。パスカは競馬場で2勝したのち、1935年に、前年一度めのチャンピオンサイアーとなっていたブランドフォード Blandford (IRE) との間にパスク(英語版) Pasch (GB) を生んだ。 モリスのオーナーブリード馬としてダーリンに預けられたパスクは、ゴードン・リチャーズが騎乗して1938年のクラシック三冠すべてで本命となり、2,000ギニーやエクリプスステークスに勝ち、ダービーとセントレジャーで3着となる活躍をした。この2,000ギニーは、数々の大レースを制したダーリンとリチャーズのコンビ初のクラシック制覇となった。翌1939年にパスカが生んだのがパスクアで、父ドナテッロ Donatello (FR) は兄パスクの父ブランドフォードの孫だった。 パスク Pasch (GB) の血統 父 Blandford (IRE)1919 黒鹿毛 Swynford (GB) John o' Gaunt (GB) Canterbury Pilgrim (GB) Blanche (GB) White Eagle (GB) Black Cherry (GB) 母 Pasca (GB)1928 鹿毛 Manna(英語版) (IRE) Phalaris (GB) Waffles (IRE) Soubriquet (GB) Lemberg (GB) Silver Fowl (GB) ピンザの母パスクア Pasqua (GB) の血統 父 Donatello (FR)1934 栗毛 Blenheim (GB) Blandford (IRE) Malva (GB) Delleana (ITY) Clarissimus (GB) Duccia di Buoninsegna (IRE) 母 Pasca (GB)1928 鹿毛 Manna(英語版) (IRE) Phalaris (GB) Waffles (IRE) Soubriquet (GB) Lemberg (GB) Silver Fowl (GB) 実際にパスクアを見るとダーリンはあまり感心せず、再びニューマーケットの12月セールで売りに出された。のちにピンザと命名される牡駒が生まれたあとだったが、このときは525ギニーだった。牡駒の方は1歳馬としてニューマーケット7月セールに送られ、実業家、ホテル経営者のサー・ヴィクター・サッスーンに1,500ギニーで購買された。その後サッスーンはブロードウェイで観た『南太平洋』に出演した歌手エツィオ・ピンツァに因んで牡駒を命名した。ピンザの父シャントゥールはフランス語で歌手を意味する。
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