バーゼルIIと規制当局
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/29 19:33 UTC 版)
「バーゼルII」の記事における「バーゼルIIと規制当局」の解説
国際的な協定を実施する上で最も難しい点の一つは、異なる文化、異なる構造モデル、複雑な公共政策、既存の規制に適合させる必要があることである。 たとえば、米国連邦預金保険公社のシーラ・ベア議長は、2007年6月に、次のように本規制など銀行の自己資本比率規制の目的を説明した。 銀行にやりたいようにやらせると慎重とはとても言えないほど少ない(決して多くはない)額の自己資本しか持たないだろうと信じるに足る強い理由があります。暗黙裡にせよ、明示的にせよ、銀行は政府のセーフティネットの恩恵を受けています。銀行への投資は安全な賭けだと思われています。適切な自己資本規制がなければ、銀行は自己資本をほとんどまたはまったくもたずとも、市場で事業を続けられます。そして、政府と預金保険会社は、最終的に貧乏くじを引かされ、破綻のリスクとコストの多くを負担することになります。1980年代後半から1990年代にかけての米国の銀行危機や貯蓄貸付組合危機で見られたように(中略)この問題が非常に現実的なものであることは歴史が証明しています。不適切な自己資本規制の最終的なツケは非常に重いものになることでしょう。要するに、規制当局は自己資本の判断を完全に銀行に任せられないのです。そんなことをしていたら、我々は自分の仕事をしていることにならないし、公共の利益に貢献していることにもならないでしょう。
※この「バーゼルIIと規制当局」の解説は、「バーゼルII」の解説の一部です。
「バーゼルIIと規制当局」を含む「バーゼルII」の記事については、「バーゼルII」の概要を参照ください。
- バーゼルIIと規制当局のページへのリンク