バナハ円板
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/08/29 16:10 UTC 版)
X が位相線型空間のとき、X の部分集合 D が円板であるとは、それが凸かつ均衡であることを言う。円板 D はその線型包 span(D) を併呑し、ゆえにそのミンコフスキー汎函数がこの空間上の半ノルムを成す (これを μD または pD と書く)。空間 span(D) にこの半ノルムの誘導する位相を入れて得られる位相空間を XD とかく。この空間の零ベクトル 0 の近傍基は、r が任意の正の実数を亙るときの rD の形に書ける集合の全体からなる。 この空間は今の場合必ずしもハウスドルフではない(例えば、X = R2 で D を x-軸とするとき)。しかし、D が有界円板で X がハウスドルフならば、半ノルム μD はノルムになり、XD はノルム空間になる。D が有界で点列完備な円板で X がハウスドルフならば、空間 XD は実はバナハ空間になる。また、XD がバナハ空間になるような X の有界円板はバナハ円板 (Banach disk), 劣完備 (infracomplete), 有界完備[訳語疑問点] (bounded completant) などと呼ばれる。 局所凸ハウスドルフ空間 X と X の有界円板 D に対し、 D が X において完備かつ T が X の樽型集合ならば、適当な数 r > 0 を選んで B ⊂ rT とすることができる。
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