バックミンスターフラーレンの発見
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/22 09:29 UTC 版)
「ハロルド・クロトー」の記事における「バックミンスターフラーレンの発見」の解説
1985年、赤色巨星の大気中における化学反応をシミュレーションした実験室での研究により、凝縮した炭素蒸気中で安定した C 60 {\displaystyle {\ce {C60}}} 分子が自発的に生成することが、クロトーと彼の共同研究者のジェームズ・ヒース(英語版)、ロバート・カール、リチャード・スモーリー、ショーン・オブライエンらによって示された。この C 60 {\displaystyle {\ce {C60}}} 分子は12個の五角形と20個の六角形から成るサッカーボールと同じパターンを持つ分子であった。クロトーはこの分子を、ジオデシック・ドームの考案者であったバックミンスター・フラーにちなんで、バックミンスターフラーレンと名付けた。この発見をきっかけに、クロトーの研究対象は分光学からフラーレンの構造に移り、化学や材料科学への影響について考えるようになった。 彼らの研究は、フラーレンという全く新しい炭素の同素体を発見したという点で意義のあるものだった。彼らがフラーレンの発見を発表した1985年の論文は、2015年に米国化学会によって歴史的化学論文大賞(Citation for Chemical Breakthrough Award)を受賞した。
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