ハイドンの名によるメヌエットとは? わかりやすく解説

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ハイドンのなによるメヌエット【ハイドンの名によるメヌエット】

読み方:はいどんのなによるめぬえっと

原題、(フランス)Menuet sur le nom d'Haydnラベルピアノ曲1909年ハイドン没後100年記念しパリ音楽雑誌依頼により作曲ハイドンの名「HAYDN」の5文字音名置き換えたものを主題として使用している。


ラヴェル:ハイドンの名によるメヌエット

英語表記/番号出版情報
ラヴェル:ハイドンの名によるメヌエットMenuet sur le nom d'Haydn作曲年1909年  出版年1910年  初版出版地/出版社: Durand 

作品解説

執筆者: PTNA編集部

 『ハイドンの名によるメヌエット』は、1908年ハイドン没後 100年記念してパリ音楽誌委嘱により作曲された。 HAYDNの5文字を音にあてはめて主題作り、(Hはシだが、Gはソ、Iはシ、Jはド…と順にあてはめ、Nはソ、Yはレに当たる)それを反行させたり逆行させたりと巧みに作曲され優雅な小品


ダンディ:ハイドンの名によるメヌエット

英語表記/番号出版情報
ダンディ:ハイドンの名によるメヌエットMenuet sur le nom d'Haydn Op.65作曲年1909年  出版年1910年  初版出版地/出版社: Durand 

ハイドンの名によるメヌエット

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/09/18 06:00 UTC 版)

ハイドンの名によるメヌエット』(Menuet sur le nom d'Haydn)は、モーリス・ラヴェル1909年に作曲したピアノ独奏曲である。

1909年はフランツ・ヨーゼフ・ハイドン没後100年に当たるため、パリの月刊音楽雑誌「ルヴュ・ミュジカル・マンシュエル・SIM」(SIM = Société Internationale de Musique)は没後100周年記念号を企画し、6人の作曲家に「ハイドン」にちなんだピアノ曲を作曲するよう依頼した。その1人がラヴェルであり、他には次の5人が依頼に応じた。

それらの作品は「ルヴュ・ミュジカル」の1910年1月号に掲載された[1]。ラヴェルの作品は1910年にデュラン社から出版され、翌1911年3月11日にパリのサル・プレイエルでの国民音楽協会コンサートで、エヌモン・トリラのピアノ独奏により初演された。

現在ではデュラン社より、ラヴェル、ドビュッシー、デュカスの3作品を1冊にまとめた楽譜が出版されている。この他にも様々な出版社から楽譜が出版されている。

作曲手法

「ルヴュ・ミュジカル」は1つの動機を用意し、それを用いて作曲することを各作曲家に依頼した。その動機とは、以下のように「HAYDN」の5文字をそれぞれ音名に置き換えて作ったものである。

  • まず、それぞれのアルファベットは以下の音にあたる。
 ラ   シ   ド   レ   ミ   ファ   ソ 
 A  B  C  D  E  F  G
  • 次に、下へ順々にアルファベットをあてはめていく。そうすると全てのアルファベットに音があてはまる。
 ラ   シ   ド   レ   ミ   ファ   ソ 
 A  B  C  D  E  F  G
 H  I  J  K  L  M  N
 O  P  Q  R  S  T  U
 V  W  X  Y  Z
  • しかし「H」はドイツ語で「シ」を意味するため、Hをシとし、Iをその1つ下の行に繰り下げる。そうして次以降は、再度順々にあてはめる。
 ラ   シ   ド   レ   ミ   ファ   ソ 
 A  B  C  D  E  F  G
   H          
    I  J  K  L  M  N
 O  P  Q  R  S  T  U
 V  W  X  Y  Z

こうした規則で出来上がる「HAYDN」の音は「BADDG」、つまり「シラレレソ」となる。

サン=サーンスはこの規則に納得できなかったため依頼に応じず、また「こんな馬鹿げたことにはかかわらないように」とフォーレに忠告している。

ラヴェルはこの「シラレレソ」の音を冒頭部分から主題として使用している。それに加えて、この音を楽譜で表記した際に逆から読んだ音(シラレレソの音を楽譜に並べ、それを上下反対に読むと「レソソドシ」になる)や、その音を逆にした音列(「NDYAH」つまり「ソレレラシ」の音)も使用している。それを芸術性が高い音楽に仕上げるところにラヴェルの巧みさが見える。

曲調

ラヴェルのメヌエット形式の曲は、1895年の「古風なメヌエット」、1901年の「ソナチネ」の第2楽章などが有名である。上記の2作に比べればごく短いことや、用意された音列という制約もあるために、旋法的な音階などはあまり聞こえない。だが、ラヴェル独特の和声は2分ほどの短い曲の中にも多く登場する。また、同時期に作曲された「マ・メール・ロワ」とも近似するかのようにも思わせる。

その他

この手法でラヴェルによって作曲された作品がもう1つある。1922年に、同じく「ルヴュ・ミュジカル」からの依頼でフォーレ特集号のために作曲した、ヴァイオリンとピアノのための「フォーレの名による子守歌(フランス語: Berceuse sur le nom de Gabriel Fauré」である。この曲では「Gabriel Fauré」の12文字を、上記の方法で音名に置き換えた音列が使用されている。変換された音名は G A B D B E E F A G D E ソラシレシミミファラソレミ となる。

脚注

関連項目

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