ネメシス女神像
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/10 03:36 UTC 版)
大神殿のケラにはペイディアスの弟子であるアゴラクリトスが彫刻したネメシス像が収められていた。この有名な女神像は神殿の地下室に立ち、高さは約4メートルあった。古代ローマの歴史家であり美術通であったウァッロはこの像をギリシア彫刻の白眉と見なした。金の王冠を取り付けるための穿孔が付いた、ネメシス神像に由来する等身大の大理石の頭部のひどく損傷した遺物は19世紀初頭にイギリスの建築家ジョン・ガンディによって発見され、現在は大英博物館のコレクションの一部となっている。これは前440年から前432年に制作されたパルテノン神殿のペディメント彫刻と様式的に類似している。 オリジナルの彫像の多くの部分は、初期のキリスト教徒による破壊で散らばった数百の破片から回収と再建が行われ、これにより小規模な合計11個のローマンコピーの同定を可能にした。高さ約90センチ、幅240センチの彫像の土台部分も再建された。土台の3面にほぼ一周して彫刻された場面は、ギリシア神話のスパルタ王妃レダが娘のヘレネを実の母ネメシスのもとに連れて行く様子を示している。
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