オメプラゾール
分子式: | C17H19N3O3S |
その他の名称: | オメプラゾール、Omeprazole、5-Methoxy-2-[[(4-methoxy-3,5-dimethyl-2-pyridinyl)methyl]sulfinyl]-1H-benzimidazole、オメプラゼン、オメプラール、5-Methoxy-2-[(3,5-dimethyl-4-methoxy-2-pyridyl)methylsulfinyl]-1H-benzimidazole、2-(3,5-Dimethyl-4-methoxy-2-pyridylmethylsulfinyl)-5-methoxy-1H-benzimidazole、2-(3,5-Dimethyl-4-methoxy-2-pyridinylmethylsulfinyl)-6-methoxy-1H-benzoimidazole、エンプラール、Enpral、オブランゼ、Ovulanze、オメプトロール、Omeptorol、オメプロトン、Omeproton、オメラップ、Omerap、2-[[(3,5-Dimethyl-4-methoxy-2-pyridinyl)methyl]sulfinyl]-6-methoxy-1H-benzoimidazole、ネキシウム、Nexium、2-(6-Methoxy-1H-benzoimidazole-2-ylsulfinylmethyl)-3,5-dimethyl-4-methoxypyridine、Omepral、Omeprazen |
体系名: | 5-メトキシ-2-[[(3,5-ジメチル-4-メトキシピリジン-2-イル)メチル]スルフィニル]-1H-ベンゾイミダゾール、5-メトキシ-2-[(3,5-ジメチル-4-メトキシ-2-ピリジニル)メチルスルフィニル]-1H-ベンゾイミダゾール、5-メトキシ-2-[[(4-メトキシ-3,5-ジメチル-2-ピリジニル)メチル]スルフィニル]-1H-ベンゾイミダゾール、5-メトキシ-2-[(3,5-ジメチル-4-メトキシ-2-ピリジル)メチルスルフィニル]-1H-ベンゾイミダゾール、2-(3,5-ジメチル-4-メトキシ-2-ピリジルメチルスルフィニル)-5-メトキシ-1H-ベンゾイミダゾール、2-(3,5-ジメチル-4-メトキシ-2-ピリジニルメチルスルフィニル)-6-メトキシ-1H-ベンゾイミダゾール、2-[[(3,5-ジメチル-4-メトキシ-2-ピリジニル)メチル]スルフィニル]-6-メトキシ-1H-ベンゾイミダゾール、2-(6-メトキシ-1H-ベンゾイミダゾール-2-イルスルフィニルメチル)-3,5-ジメチル-4-メトキシピリジン |
エソメプラゾール
![]() | |
IUPAC命名法による物質名 | |
---|---|
| |
臨床データ | |
販売名 | Nexium |
Drugs.com | monograph |
MedlinePlus | a699054 |
胎児危険度分類 | |
法的規制 | |
投与経路 | 経口 |
薬物動態データ | |
生物学的利用能 | 50 - 90% |
代謝 | 肝臓 (CYP2C19, CYP3A4) |
半減期 | 1–1.5 時間 |
排泄 | 80% 腎臓 20% 糞便 |
識別 | |
CAS番号 | 119141-88-7 |
ATCコード | A02BC05 (WHO) |
PubChem | CID: 9579578 |
DrugBank |
APRD00363 ![]() |
ChemSpider |
7853936 ![]() |
UNII |
N3PA6559FT ![]() |
KEGG |
D07917 ![]() |
ChEBI |
CHEBI:50275 ![]() |
ChEMBL |
CHEMBL1201320 ![]() |
化学的データ | |
化学式 | C17H19N3O3S |
分子量 | 345.417 g/mol |
| |
エソメプラゾール(Esomeprazole)は、プロトンポンプ阻害剤のひとつであり胃酸抑制薬である[1]。胃食道逆流症、消化性潰瘍疾患、ゾリンジャー・エリソン症候群の治療に使用される[2]。
アストラゼネカにより1993年に開発・特許取得され、2000年に医療承認を受けた[3]。ジェネリック医薬品が入手可能であり、多くの国で市販されている[4][2]。2019年には、米国で127番目に一般的に処方された薬となり、500万を超える処方があった[5][6]。米国および英国ではOTC薬として入手可能[7][8][9]。
日本では4番目に開発・上市されたプロトンポンプ阻害剤である[10]。日本国外では Zoleri、Nexium、Lucen、Esopral などの商品名でアストラゼネカから製造販売されている。日本では2011年よりネキシウムの商品名で製造・開発がアストラゼネカ、流通・販売が第一三共で発売された。
薬理
エソメプラゾールは、オメプラゾールを光学分割したS-エナンチオマーである。S 体はR 体に比べ、肝臓での初回通過効果を受けにくく、未変化体のAUCはオメプラゾールに比べおよそ1.7倍で推移するため、より強い酸分泌抑制効果を示す。S 体とR 体の酸分泌抑制作用には差はない。
アストラゼネカは、単一のエナンチオマーであるエソメプラゾールはラセミ混合物であるオメプラゾールよりも薬効が改善していると主張している[11]。しかしながら、活性が向上しているかについては議論があり、一部ではオメプラゾールからエソメプラゾールに切り替える利点はないと主張されている[12]。
プロトンポンプ阻害剤であるエソメプラゾールは、胃壁細胞のATPアーゼを阻害することによって胃酸分泌を抑制する。
適応症
- 胃潰瘍、十二指腸潰瘍、吻合部潰瘍
- 逆流性食道炎
- Zollinger-Ellison症候群
- 非ステロイド性抗炎症薬投与時における胃潰瘍または十二指腸潰瘍の再発抑制
- 下記におけるヘリコバクター・ピロリの除菌の補助(他剤との組み合わせで用いる)
- 胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃MALTリンパ腫、特発性血小板減少性紫斑病、早期胃癌に対する内視鏡的治療後胃
禁忌
アタザナビルまたは リルピビリンを服用中の患者はそれらの薬剤の吸収が低くなり、血中濃度が下がるので禁忌である[13]。
副作用
重大な副作用とされているものは、
- ショック、アナフィラキシー、
- 汎血球減少症、無顆粒球症、血小板減少(1%未満)、
- 劇症肝炎、肝機能障害、黄疸、肝不全、
- 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、
- 間質性肺炎、間質性腎炎、
- 横紋筋融解症、低ナトリウム血症、錯乱状態
である。(発現率未記載の副作用は頻度不明) オメプラゾールに記載されている溶血性貧血、急性腎不全、視力障害が削除されている。
その他1%以上に、発疹、下痢・軟便(19.9%)、味覚異常(7.8%)、口内炎、腹痛、食道炎、腹部膨満感、肝酵素上昇 が生じる。
出典
- ^ “Esomeprazole Magnesium Monograph for Professionals”. Drugs.com. American Society of Health-System Pharmacists. 2019年3月3日閲覧。
- ^ a b British national formulary : BNF 76 (76 ed.). Pharmaceutical Press. (2018). pp. 78. ISBN 9780857113382
- ^ Fischer, Jnos; Ganellin, C. Robin (2006). Analogue-based Drug Discovery. John Wiley & Sons. p. 445. ISBN 9783527607495
- ^ Learning, Jones & Bartlett (2017). 2018 Nurse's Drug Handbook. Jones & Bartlett Learning. p. 394. ISBN 9781284121346
- ^ “The Top 300 of 2019”. ClinCalc. 2021年10月16日閲覧。
- ^ “Esomeprazole - Drug Usage Statistics”. ClinCalc. 2021年10月16日閲覧。
- ^ “Esomeprazole”. MedlinePlus. United States National Library of Medicine. 2020年3月2日閲覧。
- ^ “Nonprescription Nexium Heartburn Medicine Launches”. ABC News. (2014年5月27日)
- ^ “Esomeprazole: medicine to lower stomach acid”. nhs.uk (2018年8月29日). 2019年12月9日閲覧。
- ^ 北村 正樹 (2011年8月25日). “【新薬】エソメプラゾールマグネシウム水和物:ネキシウム:4成分目のプロトンポンプ阻害薬”. 日経メディカルオンライン. 2011年10月21日閲覧。
- ^ Gladwell, Malcolm (2004-10-25). “High Prices: How to think about prescription drugs”. The New Yorker 2006年6月23日閲覧。.
- ^ von Markus, Grill (2007年8月14日). “Vorsicht, Pharma - Wie die Industrie Ärzte manipuliert und Patienten täuscht” (ドイツ語). Der Stern 2009年6月23日閲覧。
- ^ “ネキシウムカプセル10mg/ネキシウムカプセル20mg 添付文書” (2016年2月). 2016年6月28日閲覧。
関連項目
- ネキシウムのページへのリンク