ドイツ政界の噂
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/11 22:46 UTC 版)
当時のドイツ政界では、引退を余儀なくされたクルト・フォン・シュライヒャー前首相・陸軍中将が政界復帰を画策しているという噂が流れていた。それによると、シュライヒャーはレームや、かつてのナチス左派領袖で党を除名されたグレゴール・シュトラッサーと接触しており、自らは政敵のパーペンに代わって副首相として入閣、レームを国防大臣にした上で、SAを陸軍に合併させる計画があるという内容だった。また、「閣僚名簿」と称して、具体的な候補者として外務大臣にブリューニング元首相、経済大臣にグレゴール・シュトラッサーといった名前が出回っていた。 この噂は根拠のないものだったが、ヒトラーに粛清を決意させ、また国防軍の協力を得るには格好の内容であり、親衛隊、ゲーリング双方に利用された。そして、名前の挙がった人物は粛清リストに加えられていった。5月末の段階で、シュライヒャーとブリューニングの元に暗殺の危険があると情報が伝わっており、ブリューニングは出国して難を逃れたが、シュライヒャーはベルリンから国内のバイエルンに旅行に出掛けただけで、6月にはベルリンに戻って来ていた。
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