トンプソン氏
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/06/07 05:56 UTC 版)
「肩をすくめるアトラスの登場人物一覧」の記事における「トンプソン氏」の解説
Mr. Thompson アメリカ合衆国の国家元首。 「存在感が希薄な男」で、「三人以上いる場では、彼という人物は判別がつかなくなり、一人でいると彼と似た無数の人間からなる独特のグループをひきつけるようだった。国民は彼の風采について明確な印象をもっていない。写真は前任者たちと同じく頻繁に雑誌の表紙を飾ったが、どれが彼の写真であり、どれが庶民の日常をとりあげた記事の『一郵便係』や『一事務員』の写真なのかはっきり区別がつきかねた。― トンプソン氏の襟がいつもよれよれであることを除いては。彼は肩幅が広く痩身だ。髪はべとべとで、口は大きく、疲れはてた四十代にも異常に元気な六十代にも見えて年齡不詳だった。強大な公的権力を持ちながら、自分を政権に押しこんだ者たちにそう期待されていたために、さらに権力を拡大すべく絶えず術策を弄してきた。彼には知性を欠く人間の狡猾さと、怠惰な人間の狂気的な活力があった。出世の唯一の秘密は彼が偶然の産物であり、そのことを認識し、それ以外の何者にもなろうとしなかったということだ」と描写されている。 ランドのノートに、彼のモデルがハリー・S・トルーマン大統領であることを示す記述がある。ランドが彼を「アメリカ合衆国大統領」と呼ばなかったのは、「アメリカ合衆国大統領」という肩書には様々な光栄ある特質が含意されており、この登場人物にはそうした特質がないと考えたからである。
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