トフラーの考える端緒
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/16 05:46 UTC 版)
情報革命は古今東西で様々に論じられているが、ここでは現代人の見解を代表するものとしてアルビン・トフラーの考え方をたたき台とする。情報革命は、それに先立つ農業革命と工業革命の二者と相対的な概念である。つまり、作物の生産手段となる土地、および製品の生産手段となる工場が社会を支配した時代と比べて、情報が土地・工場の支配的地位を揺るがした時点に情報革命の端緒があるという。巷では情報技術が市民生活に浸透した時点(次節のIT革命)を情報革命と呼ぶことがある。しかし、この考え方は往々にして社会現象の起こりを無視し、ときどきの情報技術を売り込むための方便にもなる。 トフラーは情報革命の始まりとしてキャッシュレジスターを挙げている。これはスーパーマーケットなどの小売店で活用された。そして小売店は売れ筋などの正確な需要値を弾き出し、有利な条件で工場主たるメーカーと仕入れ交渉に臨むことができた。レジの発明された時期を考えると、この革命のタイミングは相当に早い。一方、トフラーは政治の世界でも革命がおきて、武力よりもロビー活動などに用いる情報が物を言うようになったことを指摘している。この認識は情報戦の重要性が増したという意味でなら正しいが、海底ケーブルや無線通信、ウェブ、エニアックといった情報技術は、戦争における技術競争の過程で大きく進化し、さらにロビー活動などにとどまらずその手段としても使われているのが実情である。
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