トウゴクサイシン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/13 10:42 UTC 版)
トウゴクサイシン | |||||||||||||||||||||
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福島県浜通り地方 2017年4月
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分類(APG IV) | |||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||
Asarum tohokuense Yamaji et Ter.Nakam.[1] | |||||||||||||||||||||
和名 | |||||||||||||||||||||
トウゴクサイシン(東国細辛) |
トウゴクサイシン(東国細辛、学名: Asarum tohokuense)は、ウマノスズクサ科カンアオイ属の多年草[2]。
特徴
地上を這う茎の先から2個の葉をだす。葉柄は長さ3-16cmになる。葉質は薄く、葉身は長さ5-13cm、幅3-13cmになり、先端はとがり、葉脈に沿って短毛が生える[2][3]。
花期は4-5月。茎先に1個の花をつける。花に花弁は無く、萼裂片が花弁状になる。萼筒は扁球形になり、長さ6.5-10.5mm、径10-15mm、萼筒の入口は広く、径5.5-11mmと萼筒径の半分以上になる。萼筒内壁は同属のウスバサイシン A. sieboldii のように全体が暗紫色にならず、白色や淡桃色で部分的に暗紫色になる。萼筒内壁に低く隆起した襞があり、15-21個ある。萼裂片は卵状三角形で長さ5-9.5mm、幅7-12mmになり、平開するかやや斜めに開き、表面に短毛がある。雄蕊は12個あり、花柱は6個ある[2][3]。
分布と生育環境
日本固有種。本州の関東地方・中部地方の北部から東北地方に分布し、山地の落葉広葉樹林の林床に生育する[2]。
従来、これらの地域に分布するカンアオイ属ウスバサイシン節の種は、ウスバサイシンとされてきたが、山路弘樹、中村輝子ら(2007年)の研究により、独立した種であるとわかり、新種として命名記載された[2][3]。
ギャラリー
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萼筒内壁は白色や淡桃色で部分的に暗紫色になる。
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萼裂片は卵状三角形でやや斜めに開き、先は指先でつまんだようにとがる。
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葉は卵形で、先端はとがり、基部は心形。葉脈に沿って毛が生える。
脚注
参考文献
- 大橋広好・門田裕一・木原浩他編『改訂新版 日本の野生植物 1』2015年、平凡社
- 山路弘樹, 中村輝子, 横山潤, 近藤健児, 諸田隆, 竹田秀一, 佐々木博, 牧雅之「日本産カンアオイ属ウスバサイシン節の分類学的研究」『植物研究雑誌 (The Journal of Japanese Botany)』第82巻第2号、ツムラ、2007年、79-105頁、doi:10.51033/jjapbot.82_2_9957。
- 米倉浩司・梶田忠 (2003-)「BG Plants 和名-学名インデックス」(YList)
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