トゥアゴンの使者
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/12 02:11 UTC 版)
ヴォロンウェの父アランウェは、フィンゴルフィンと共にヘルカラクセを越えて、アマンから中つ国へとやってきたノルドールの上のエルフだった。かれはトゥアゴンの領地ネヴラストに住み、船造りキーアダンの親族であるファラスリムの娘を娶った。ヴォロンウェはネヴラストに生を受け、トゥアゴンがその民を率いてゴンドリンに移り住むと、かれもまたゴンドリンに住んだ。 モルゴスによってファラスが荒廃し、キーアダンがバラール島へと脱出したことを知ると、トゥアゴンはヴァラールの助力を請うために、キーアダンのもとに使者の一団を送った。ヴォロンウェもその母から受け継いだ海への愛情のため、使者の一人に選ばれた。 かれは道中のナン=タスレンで使命を忘れて楽しんだ。しかしかれが川にいかだを浮かべると、風がかれを海まで運び、使者の中で最後にキーアダンの待つシリオンの河口にたどり着いた。 ヴォロンウェはキーアダンの手による七隻目にして最後の船に乗り込むと、ヴァリノールへ向けて旅立った。使者たちの乗った船は七年に渡って大海をさまよったあと、諦めて中つ国へ戻ることにした。かれが故郷のタラス山を認めたとき、強風によって船は打ち壊され沈んだ。ウルモの手によって救われたヴォロンウェだけは生きながらえ、ネヴラストの海岸でトゥオルと出会った。
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