ティルナノーグ
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ティルナノーグ(Tir Na Nog, Tirnanog)
- ティル・ナ・ノーグ - アイルランドのケルト神話に登場する妖精の国。
- ティル・ナ・ノーグ (システムソフト) - システムソフト(現・システムソフトアルファー)より発売のコンピュータRPGのシリーズ。
- ティルナノーグ (ゲーム会社) - 京都府に存在するゲーム開発メーカー。代表作は「ティアリングサーガ」。
- ティルナノーグ - 日本の競走馬(父ディープインパクト)。通算23戦3勝で引退。
- 『ティル・ナ・ノグ』 - ファーイースト・アミューズメント・リサーチ(F.E.A.R.)のテーブルトークRPG『アルシャード』のサプリメント(ワールドガイド)として出版された書籍。
- インターネットラジオ番組WindVoiceの、放送開始前に検討されていた仮タイトル。
- ティル・ニー・ノグ - ジーンダイバーに登場するげっ歯類が進化したキャラクター。名前の由来はティル・ナ・ノーグ。
- ティル・ナ・ノーグ ~幻影の島~ - 日本の作曲家である樽屋雅徳が作曲した吹奏楽曲
ティル・ナ・ノーグ
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ティル・ナ・ノーグ(Tír na nÓg)とは、ケルト神話でトゥアハ・デ・ダナーンがアイルランドの祖と云われるミレー(マイリージャとも)族との戦いに敗れた後に、その生存者が移住したとされる土地の名。幾つかある楽園の一つで、ティル・ナ・ノーグは「常若(とこわか)の国」と呼ばれる。語り継がれている多くの話によれば、このティル・ナ・ノーグは妖精たちの好みの棲み家であり、三通りの島々、すなわち、生き物の住む島、勝利者たちの島、そして水底の島と言われている。
概説
海の彼方や地下にある楽園、常若の国には、不思議の「りんご」の木[注 1]、食べても生き返る「豚」[3]、永遠の若さを授けるゴヴニュの饗応(エール麦酒)[3][注 2]、この三つがあることになっている。
- 二つの杯の館での養育
敗北後のトゥアハ・デ・ダナーンがどの妖精丘(シー)に住むべきかの差配をしたのは、族長的な地位についた海神マナナーン・マク・リールであった。そのことを記述した古典(『(仮訳題名)二つの杯(桶)の館での養育』[3][5])ではマナナーンの住処は「約束の地」ティル・タルンギレ [ティル・ターンゲリ[6]](古アイルランド語: Tír Tairngire)あるいはエウィン・アヴラハ(古アイルランド語: Emain Ablach)などと呼ばれるのみであり[注 3][3][5]、「ティル・ナ・ノーグ」という地名は登場しない。だが、このマナナーンは常若の饗応(「ゴヴニュの饗応」)を一族の生存者にふるまい、永遠の若さを保っていた[3][5]。
- ブランの航海
土の下だけでなく海のかなたにも常若の国を作って楽しく暮らしているともいわれているが、マナナーンの住む他郷(異界)は、「喜びの原(マグ・メル) 」(他、意訳名も「楽しき郷」、「歓びの野」等;カナ表記も「モイ・メル」等多数)と呼ばれている[8]。説話『ブランの航海』では、ブラン王子ら一行が海上で海神マナナーンと遭遇し、海神にとってはその場所(マイヒ・メル)は花の咲き乱れる草原のようだ、と説明される[9]。同作品では、エヴァン(エヴナ)はマナナーンの国とは別で、「女の国」である[9][7]。喜びの原は、古来アイルランド以南、あるいは西南の方角にあるとされている[10]。
- ブラシル
また、イ・ブラシル(ハイ・ブラシル)もまた「祝福された者の住む島」として[11]、アイルランド版エリュシオンのひとつとしてティル・ナ・ノーグとの相似が指摘される[12]。
常若の国の伝説
- オドノフー伝説
- ラー湖
- ハイ・ブラゼル―至福の島
- 幻影の島
注釈
出典
- 脚注
- ^ 『ブランの航海』Meyer, Kuno, ed. (1895), Voyage of Bran, 1, London: D. Nutt, pp. 1–17
- ^ 『コルマク・マク・アートの約束の地への冒険』Stokes, Whitley, ed. (1891), “Echtra Cormaic i Tir Tairngiri ocus Ceart Claidib Cormaic”, Irische Texte (S. Hirzel) 3, pp. 185–202 (text); 203–221 (translation); 222–229 (notes)
- ^ a b c d e 「二つの牛乳差しの館の滋養」マイルズ・ディロン 著, 青木義明 訳 『古代アイルランド文学』1987年 オセアニア出版所収 124–133頁
- ^ Brown, Arthur C. L. (1910), “The Bleeding Lance”, PMLA 25 (1): 38, JSTOR 456810
- ^ a b c Dobs, Maighréad Ní C. (1930), “Altromh Tighi da Medar”, Zeitschrift für celtische Philologie 18 (1): 189–230, doi:10.1515/zcph.1930.18.1.189; "The Fosterage of the House of the Two Pails" via CTC
- ^ 『妖精学大全』(「約束の地 (Tir Tairngiri)」の項)。“約束の地 (Tir Taimigiri) [ママ]”. 妖精学データベース. うつのみや妖精ミュージアム (2008年). 2020年12月31日閲覧。による。
- ^ a b 『妖精学大全』(「女護の島(エヴァン)」の項)。“女護の島(エヴァン) (Emhain)”. 妖精学データベース. うつのみや妖精ミュージアム (2008年). 2020年12月31日閲覧。による。
- ^ 『妖精学大全』(「喜びの原(マグ・メル) 」の項)。“喜びの原(マグ・メル)”. 妖精学データベース. うつのみや妖精ミュージアム (2008年). 2020年12月31日閲覧。による。
- ^ a b 『ブランの航海』¶33–60(詩節). Meyer (1895), 1: 16–29; 松村 (1984), pp. 47–58
- ^ Meyer (1895), 1: 32, n2.
- ^ 『妖精学大全』(「ハイ・ブラシル(祝福された者の住む島)」の項)。“ハイ・ブラシル(祝福された者の住む島)”. 妖精学データベース. うつのみや妖精ミュージアム (2008年). 2020年12月31日閲覧。による。
- ^ Freitag, Barbara (2013). Hy Brasil: The Metamorphosis of an Island: From Cartographic Error to Celtic Elysium. Amsterdam: Rodopi. p. 223. ISBN 9789401209106
- 参考文献
- 井村君江『ケルトの神話―女神と英雄と妖精と』筑摩書房〈世界の神話 9〉、1990年3月。ISBN 978-4-480-02392-6。
- 井村君江『妖精学大全』東京書籍、2008年。ISBN 978-4-487-79193-4。
- 井村君江訳 著、ウィリアム・バトラー・イェイツ 編『ケルト幻想物語』筑摩書房、2008年。
- 松村賢一「Imram Brain--ケルトの古歌序説」『英語英米文学』第24号、中央大学英米文学会、27–61頁、1984年3月。 - 国立国会図書館デジタルコレクション
- Meyer, Kuno (1895), Voyage of Bran son of Febal to the land of the living, 2 vols., Alfred Nutt (summary), London: D. Nutt
関連項目
- アイルランド文学
- アイルランド語
- ケルト人
- フェアリー
- 口承文学
- 常世の国 - 古代日本の神話に登場する、海の果てにあるという他界
- ニライカナイ - 沖縄などの伝承に見られる、海の果てや底にあるという他界
外部リンク
ティルナノーグ
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古代文明の遺跡。エンドラ人やズー族にはお伽噺と認識されていた。パスカルの分析によるとウォープ粒子が集まっている模様。
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