ティルトバレル式
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/06 06:04 UTC 版)
「ショートリコイル」の記事における「ティルトバレル式」の解説
ティルトバレル式は、銃身と遊底の閉鎖開放を銃身の上下動により行う。遊底の開放時に銃身が斜め下方へ傾く (tilt) ことからティルトバレル式と呼ばれる。また、開発者ジョン・ブローニングの名前からブローニング式とも呼ばれる。 構造の簡略さと小型化が可能なことから、コルト・ガバメント、ブローニング・ハイパワー、SIG P220等、ショートリコイル作動の自動拳銃では現在まで最も多く採用されている。逆に銃身の長い自動小銃や軽機関銃、特に結合部に荷重が掛かる銃身交換式の機関銃などでは、採用例は稀である。 ティルトバレル機構を持つ代表的なM1911系拳銃では、銃身の薬室付近にロッキングラグを設け、遊底(スライド)内側の溝と結合させる構造となっている。銃身と遊底が後退すると、銃身後端はバレルリンクの働きにより下方へ移動し、結合が解かれる。バレルリンクは銃身後端の下降・上昇動作を案内することが目的であり、遊底や銃身が作動する際の衝撃を受ける機能は持たない。 ジョン・ブローニングは後にM1911のリンクをカムに置き換え簡略、改良した閉鎖機構を持つブローニング・ハイパワーを開発しており、この形式を改良ブローニング式と呼ぶことがある。 SIG P220で採用された銃身の薬室上部と排莢口とを嵌合させて閉鎖する機構が、近年の改良ブローニング式では主流となっている。この形式は銃身薬室付近のロッキングラグ、遊底内側の溝など閉鎖機構の加工を必要とせず、製造が容易なため20世紀末から急速に普及した。 1911系拳銃の銃身(上)遊底(下)内のロッキング・ラグ 改良ブローニング式のロック部Ⅰ.FN ハイパワーⅡ.CZ75Ⅲ.H&K USPⅣ.グロック 閉鎖機構を兼ねたグロックの排莢口
※この「ティルトバレル式」の解説は、「ショートリコイル」の解説の一部です。
「ティルトバレル式」を含む「ショートリコイル」の記事については、「ショートリコイル」の概要を参照ください。
- ティルトバレル式のページへのリンク