ダスプレトサウルスとの共存
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/02 02:56 UTC 版)
「ゴルゴサウルス」の記事における「ダスプレトサウルスとの共存」の解説
ダイナソーパーク累層の中層で、ゴルゴサウルスはより希少なティラノサウルス科のダスプレトサウルスと共存していた。これは2属のティラノサウルス科が同所的に生息した数少ない例の一つである。現代の捕食動物の群集では、同様の体格をした捕食者は解剖学的・行動的・地理的差異により競争を制限され別々の生態的地位に分かれる。ダイナソーパーク累層のティラノサウルス科の間でのニッチの違いはまだ理解がよく進んでいない。1970年にデイル・ラッセルは、ゴルゴサウルスが一般に足の速いハドロサウルス科を積極的に狩り、彼らより重厚なダスプレトサウルスには角や鎧を纏っていて厄介で数の少ないケラトプス科やアンキロサウルス科が残されたと仮説を立てた。しかし、同時代を示すモンタナ州のツーメディスン累層から産出したダスプレトサウルスの標本OTM 200 は腸の領域に幼体のハドロサウルス科の残骸が残っており、別のボーンベッドからは3頭のダスプレトサウルスが少なくとも5頭のハドロサウルス科と共に発見された。 他の恐竜のグループとは異なり、標高差を利用した棲み分けは両属に見られなかった。しかし、ゴルゴサウルスの化石はダイナソーパークといった北部の層で一般的であり、ダスプレトサウルスの種の化石は南方で豊富であった。このパターンは他の恐竜でも見ることができる。カスモサウルス亜科のケラトプス科やサウロロフス亜科のハドロサウルス科も、モンタナ州のトゥーメディスン累層などカンパニアンの北アメリカ南部に多く、セントロサウルス亜科とランベオサウルス亜科は北方の緯度で支配的である。このティラノサウルス亜科、カスモサウルス亜科、サウロロフス亜科の間の生態的パフォーマンスを共通していることがこの分布パターンに示されているとホルツは提唱した。マーストリヒチアンの終わりにはティラノサウルス・レックスのようなティラノサウルス亜科、エドモントサウルスやクリトサウルスといったサウロロフス亜科、トリケラトプスやトロサウルスなどのカスモサウルス亜科が北アメリカ西部へ拡散した。その一方でヒパクロサウルスなど少数の種からなるランベオサウルス亜科は希少となり、アルバートサウルス亜科とセントロサウルス亜科は絶滅した。しかし、セントロサウルス亜科の場合はシノケラトプスのようにアジアで成功したものもいる。アルバートサウルス亜科の化石はヘルクリーク累層でも発見されたが、これはティラノサウルス属に属する種であると有力視されている。
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