ダイオード ダブル・バランスド・ミキサ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/06/01 01:26 UTC 版)
「混合器 (ヘテロダイン)」の記事における「ダイオード ダブル・バランスド・ミキサ」の解説
ダイオード ダブル・バランスド・ミキサ は 4 本のダイオードと 2 つの高周波トランスとで構成され、 リング変調回路 とも呼ばれる。 図のように信号 f 1 {\displaystyle f_{1}\,\!} と f 2 {\displaystyle f_{2}\,\!} とをダイオード ダブル・バランスド・ミキサ に入力すると、出力側のトランス T2 からは、#原理の式 (1) で示されるように、 f 1 + f 2 {\displaystyle f_{1}+f_{2}\,\!} と f 1 − f 2 {\displaystyle f_{1}-f_{2}\,\!} とが出力される( f 1 > f 2 {\displaystyle f_{1}>f_{2}\,\!} の場合)。ダブル・バランスド・ミキサ では信号がバランスされているため、 f 1 {\displaystyle f_{1}\,\!} および f 2 {\displaystyle f_{2}\,\!} は出力されない。ダブル・バランスド・ミキサ の出力端子にフィルタ回路を接続し、2 つの信号の和または差のどちらかの信号のみを取り出して用いる。 回路を構成するダイオードや高周波トランスを適切に選べば、1W 程度の信号を注入して動作させることができる。スーパーヘテロダイン受信機で使用する場合、妨害波の影響を受けにくくするために、受信信号 f 1 {\displaystyle f_{1}\,\!} に対し局部発振器からの信号 f 2 {\displaystyle f_{2}\,\!} を強力に注入する必要がある。このように強力な局部発信信号で動作させると、局部発振器からの信号が漏れたり、スプリアスが強力に漏れたりするので、シールド処理をしっかり施す必要がある。 ダイオード ダブル・バランスド・ミキサ は、シールドされた 1 つのモジュール(部品)としても市販されているので、手軽に利用することができる。最近では、このようなモジュールのほとんどではショットキー・バリア・ダイオードが用いられている。ショットキー・バリア・ダイオードは順方向電圧が低く、低ノイズであるという特徴がある。 ダイオード ダブル・バランスド・ミキサ は、測定器など高性能な混合器が必要とされる場合に、特によく用いられる。 変調回路として用いる場合、 f 1 {\displaystyle f_{1}\,\!} に搬送波を、 f 2 {\displaystyle f_{2}\,\!} に低周波信号を入力すると、振幅変調の一つである抑圧搬送波両側波帯(DSB-SC)が出力される。抑圧搬送波単側波帯(SSB-SC)を得るには、ダイオード ダブル・バランスド・ミキサ の出力にクリスタル・フィルタ等の急峻な特性を持つフィルタで、片方の側波帯を阻止し、もう片方の側波帯を通過させる。 高周波回路では各信号の入力の一方を接地する場合が多く、高周波トランスはバランと呼ばれることがある。
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