タンパク質医薬品
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/08/07 14:08 UTC 版)
タンパク質医薬品はバイオ医薬品のひとつであり、広義には抗体医薬品も含まれる。最も知られたタンパク質医薬品としては糖尿病治療で用いられるインスリンがあげられる。その他にエリスロポエチン、顆粒球コロニー刺激因子、インターフェロン、ワクチン、酵素補充療法で用いる酵素製剤などが知られている。タンパク質医薬品の多くは多様な生物種から組み替えDNA技術を用いて産出され精製されている。タンパク質医薬品には分子量300~500Da程度の低分子医薬品にはない様々な利点が知られている。 低分子医薬品では代用できない高い特異性と複雑な機能がある。 特異性が高いため副作用を起こすリスクがより少ない 被験者にとって生理的なタンパク質ならば免疫反応を起こす可能性が低く、許容されることが多い。 ミスセンス変異やナンセンス変異が原因の場合は遺伝子治療を行わずタンパク質医薬による酵素補充療法で代用できる可能性がある。 タンパク質医薬品の臨床開発やFDAによる認可にかかる時間は低分子医薬品よりも短い。 タンパク質はそれぞれに固有の形や機能を持つために、製薬会社はタンパク質医薬品について広範囲に及ぶ特許を取得できる。
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