インシリコ・スクリーニング
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/09 03:01 UTC 版)
「免疫原性」の記事における「インシリコ・スクリーニング」の解説
免疫原性のリスクに寄与する因子の一つであるT細胞エピトープの含有量は、インシリコ・ツールを用いて比較的正確に測定できるようになった。T細胞エピトープを特定するための免疫情報工学アルゴリズムは、現在、タンパク質治療薬をより高リスクと低リスクのカテゴリーに分類するために適用されている。これらのカテゴリーは、免疫療法やワクチンが望ましくない免疫原性を引き起こすかどうかを評価し、分析することを指す。 一つのアプローチは、タンパク質の配列を、重なり合うノナマー(すなわち、9アミノ酸)ペプチドフレームに解析し、それぞれのペプチドフレームが、世界中のほとんどのヒトの遺伝的背景をカバーしている6つの共通クラスI HLA対立遺伝子のそれぞれに結合する可能性について評価することである。タンパク質内の高スコアフレームの密度を計算することにより、タンパク質の全体的な「免疫原性スコア」を推定することができる。さらに、免疫原性を示す可能性のある高スコアフレームが密集している部分領域や「クラスター」を特定し、クラスタースコアを計算して集計することができる。 このアプローチを使用して、新規タンパク質治療薬の臨床免疫原性を計算することができる。その結果、多くのバイオテクノロジー企業は、新しいタンパク質医薬品を開発する際に、インシリコ免疫原性を前臨床プロセスに組み込んでいる。
※この「インシリコ・スクリーニング」の解説は、「免疫原性」の解説の一部です。
「インシリコ・スクリーニング」を含む「免疫原性」の記事については、「免疫原性」の概要を参照ください。
- インシリコ・スクリーニングのページへのリンク