タイのニエロ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/12 03:17 UTC 版)
ニエロ細工を施したタイ王国の装身具は、1920年代から1970年代にかけて、その地に駐留していたアメリカ兵が、帰国してガールフレンドや妻に贈るプレゼントとして人気があった。そのほとんどは手作りのものだった。 その技術は以下の通りである。 まず、職人は銀に特定のキャラクターや模様を彫刻する。「背景」となる部分を彫ることによって像を浮かび上がらせる。 それから「背景」を埋める象嵌にニエロを使用する。 戸外で火で焼く。合金は硬化する。 砂(紙やすり)で滑らかに磨き、研磨する。 最後に、銀職人が手作業で細密なディテールを加える。 追加の装飾に、フィリグリー(金線細工、銀線細工、en:Filigree)が使われることも多い。 ニエロ細工は黒と銀のみで塗られていることで分類されている。同じ時代に起源を持つ他の色の装身具は、異なる技術が使われ、ニエロとは呼ばれない。 ニエロ細工に見られるキャラクターの多くは、ヒンドゥーの伝説『ラーマーヤナ』のものである。重要なタイの文化的シンボルもまた盛んに使われている。 大きな商業的価値のあるニエロ細工の装身具はないものの、それらは素晴らしい記念品であり、感傷をそそるものである。また、マッチしやすく、面白い話の種を提供してくれる。 主なものに、ネックレス、ブレスレット、ブローチ、ネクタイピン、指輪、イヤリング、ペンダント、ボタン、嗅ぎ煙草入れなどがある。
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