ソルカン・シラの功績
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/29 20:19 UTC 版)
「ソルカン・シラ」の記事における「ソルカン・シラの功績」の解説
12世紀末、父イェスゲイの急死により幼くしてキヤト氏の長となったテムジンは、モンゴル部内の主導権を欲するタイチウト氏により命を狙われるようになった。ある時、タイチウト氏のタルグタイ・キリルトク率いる一団はテムジンの家を襲撃し、テムジンは家族を逃がしたものの自らは捕まってしまった。 諸史料が一致して伝える所によると、この時テムジンは脱走を図ったがタイチウトの追っ手に追いつかれ、オノン川林中の水たまりに伏せて隠れた。しかしタイチウトの追っ手の一人、スルドス氏のソルカン・シラはテムジンを見つけるとその境遇に同情し、仲間には報告せず違う場所を捜すよう提案したため、テムジンはタイチウトの追跡から逃れることができた。危急を逃れたテムジンは一時ソルカン・シラの家に匿われたが、そこにもタイチウトの追っ手がやってきた。そこでテムジンはソルカン・シラの家で羊毛を積んだ車の中に隠され、ここでもタイチウトの追っ手から逃れることができた、という。 タイチウトの追っ手が去った後、ソルカン・シラはテムジンの旅装を整え送り出し、テムジンは無事家族の下に帰還することができた。若い頃命を救ってくれたソルカン・シラとその一族に対し、チンギス・カン(テムジン)は後々まで感謝の意を忘れず、「最大限の名誉、尊敬を与えた」という。但し、ソルカン・シラがテムジンを送り出す際に最低限の旅装しか準備せず、鞍や火打ち石などを与えなかったことは、諸史料において特筆されるこのソルカン・シラの功業物語における瑕疵とされている。
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