セム族・ユダヤ教における天国
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/29 15:52 UTC 版)
「天国」の記事における「セム族・ユダヤ教における天国」の解説
広汎なセム族の世界観では、人間は死後陰府(シェオール)に行くことが決まっており、天国はただ神々の住まう領域に過ぎなかった。ヤハウェ唯一神論を採る古代イスラエル国家も同様の世界観を共有していたが、紀元前6世紀のバビロン捕囚によってユダヤ教にゾロアスター教の教義である死者の復活の概念が取り込まれた。当初、それはイスラエルの再建という地上への復活と考えられたが、天に召しあげられたエノク、エリヤの逸話を拡大解釈し、天国での来世を創造するに至った。ヘレニズム時代のユダヤ教の天国は、未来永劫仲間の霊魂や天使、神とともに過ごすというぼんやりしたイメージの世界だった。 紀元前1世紀にフィロの著した旧約聖書外典『ソロモンの知恵』の天国観は、聖書とプラトン哲学の霊魂思想を展開させたもので、のちのキリスト教思想家たちに大きな影響を与えた。
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