スーパーヨット
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/20 06:54 UTC 版)

スーパーヨット(英語: Superyacht)は、レジャー用船艇の一つ[1]。ヨットの中でも特に大型かつ豪華な仕様であり、広い居住区間と居住設備を有し、高級ホテルの代わりとして応接や接待、宿泊の場として用いられることがある。
ラグジュアリーヨット(luxuryyacht)、ギガヨット(megayacht)とも。
概要
スーパーヨットは概ね全長80フィート以上(約24メートル以上)の高級大型クルーザーをいう。
2018年時点のスーパーヨットの隻数は、世界で9395隻と過去10年間で2倍以上の伸びを見せた。所有者は富裕層であり、寄港先では大きな経済効果をもたらすため、カリブ海、地中海などのリゾート地周辺の寄港先[1]では受け入れ態勢を整えている場所もある。2010年代後半には、日本でもスーパーヨット誘致会議が立ち上げられ、受け入れ態勢の検討が進められた。
高額ヨットの所有者
世界一高額のスーパーヨットは、2010年にロマン・アブラモヴィッチが所有した「エクリプス」で、推定およそ19億ドルと推定されている。2つのヘリポート、24の客室、2つのプールを有する[2]。また、調度品まで見渡せばムハンマド・ビン・サルマーン サウジアラビア皇太子のヨットには、レオナルド・ダビンチ作とされる絵画「サルバトール・ムンディ」が飾られており、絵画の価値だけでも5億ドル以上と見られている[3]。
2016年、中国恒大集団の創業者、許家印は全長約60メートルのスーパーヨット「イベント」を購入。2020年以降、会社が経営危機に陥り資産の売却が取り沙汰されたが、2021年時点のヨットの価値は4510万ドルと推定されていた[4]。
ポール・アレンは個人の海洋探査プロジェクトのために海洋調査船としても機能するオクトパスを所有していた。
資産
密談場所や密輸の手段としての利用もある[5]。
預金や不動産と同じく差し押さえの対象ともなるが[5]、移動できることから当局の捜査が及ばない国へ向かうことで資産を退避させることも可能である[6]。
2022年2月、ロシアがウクライナ侵攻を行い、欧州各国が経済制裁を行った際には、ロシアのオリガルヒが所有する豪華なスーパーヨットがいち早く差し押さえの対象となり、所有者が明らかとなる例も見られた[7]。また、寄港先では抗議運動が行われる事例も見られた[8]。
2022年3月、イタリア当局はトスカーナ州マッサの造船所に停泊しているスーパーヨットが、ロシア大統領ウラジーミル・プーチンの所有であるとの情報を得て捜索を行った。ヨットは全長140メートルで、船首と船尾に2つのヘリポート、プール、映画館を備えている。2020年にドイツのリュールセンが約7億ドルで建造したものと見られている[9]。
脚注
- ^ a b “スーパーヨットの概要”. 国土交通省. 2022年3月24日閲覧。
- ^ “「世界で最も高価なスーパーヨット」の所有者は誰なのか?”. ダイヤモンドオンライン (2021年1月3日). 2022年3月24日閲覧。
- ^ “ダビンチ作「救世主」、サウジ皇太子のヨットに保管か”. スプートニク (2019年6月11日). 2022年3月24日閲覧。
- ^ “中国恒大の債権者、許会長の個人資産に照準-危機脱出に「誠意」必要”. bloomberg (2021年11月5日). 2023年10月3日閲覧。
- ^ a b “差し押さえで帆を下ろしたオリガルヒのヨット”. Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン) (2022年5月25日). 2022年5月25日閲覧。
- ^ “差し押さえられたロシアのスーパーヨット 回避に成功した船も”. Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン) (2022年3月31日). 2022年5月25日閲覧。
- ^ “ロシア大富豪の豪華ヨット差し押さえ ウクライナ侵攻の制裁対象―米誌”. 時事通信 (2022年3月3日). 2022年3月24日閲覧。
- ^ “ロシア富豪アブラモヴィッチ氏のスーパーヨット、トルコで反戦抗議の的に”. BBC (2022年3月23日). 2022年3月24日閲覧。
- ^ “プーチン氏が所有か 伊当局、豪華ヨットを捜査”. AFP (2022年3月25日). 2022年3月24日閲覧。
関連項目
スーパーヨット
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/22 03:53 UTC 版)
資産家の中には小型客船並みの大きさスーパーヨット(ラグジュアリーヨット、ギガヨットとも)を所有する者もおり、プールやジャグジー、ヘリパッドを有するなどクルーズ船並みの装備があるヨットも建造されている 。 中型船では船体を規格化し内装のみ注文に応じて変更するセミオーダー形式とすることで価格を抑えたメーカー(コーデカーサなど)が、リゾート地のあるイタリアやフランスに集中している。 全長100m超の船舶では顧客の好みに合わせるためHDWやブローム・ウント・フォスなどの大型船舶を手がける造船会社が船体を設計・建造し、内装は専門業者がオーダーメイドで作成するなどグルーズ客船と同じ手法で製造することもある。また大型船舶には資格を有する船員が複数必要であるため、船員を派遣する会社もある。 資産家のポール・アレンが所有する「オクトパス」は全長126m、9932総トンのサイズにクルーズ船並みの快適装備を備える他、調査用の艦載ヘリや海底を調査する装置を備えた海洋調査船としての機能も有しており、戦艦武蔵の探索を始め、アレンの手がける海洋調査では調査隊の母船として使用されている。 趣味性の高い大型機帆船も資産家の要望で建造されており、実業家のアンドレイ・メルニチェンコはフィリップ・スタルクがデザインしたスーパーヨットと大型機帆船を所有している。 ヴィアレッジョの港に停泊するスーパーヨット(コーデカーサ製) ポール・アレンが所有するオクトパス(HDW製) 3隻のスーパーヨット(Lady Anne、Lady Moura、Pelorus) ロマン・アブラモヴィッチが友人のユージン・シュビドラーに贈呈したLe Grand Bleu(ブレーマー・フルカン造船所製) ハリーファ・ビン・ザーイド・アール・ナヒヤーンが所有するAzzam(Lürssen Yachts製) フィリップ・スタルクがデザインしたA (MY A)(ブローム・ウント・フォス製) フィリップ・スタルクがデザインした大型セーリングヨット「A」(ノビスクルーク製)
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