スペインの影響説
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/22 02:11 UTC 版)
ムパナティッギの起源ははっきりしないが、シチリアがスペインの支配下に置れていた16世紀にそのスペインの影響によって発祥したと考えられている。ムパナティッギの名前自体も、やはり半月形でスペイン語で「パン生地に包まれた」という意味のエンパナーダに由来していると考えられている。 同じ16世紀初頭にはクリストファー・コロンブスやエルナン・コルテスが、彼らにとっては未知の食用可能な植物・作物を中米からスペインに持ち帰っており、その中にはカカオも含まれていた。当初スペイン宮廷はカカオに興味を示さなかったが、同世紀の半ばごろに中米のケクチ・マヤ族の使節団がスペインを訪れカカオを使った飲料を伝えると、カカオは瞬く間にヨーロッパ中に広まったという。その中には当時スペイン支配下のシシリア島も含まれており、数は少ないもののスペイン料理に時折見られる肉とチョコレートの組み合わせも伝わったのではないと考えられている。 但し当時は肉と言ったら狩猟肉で、「チョコレート」は固形でなく液状だった。なおイベリア半島には今でもキジ科の狩猟鳥を使ったPerdiz al chocolateやウサギを使ったConill amb xocolata(カタルーニャ語)などの狩猟肉とチョコレートを組み合わせた料理が残っている。牛肉を使ったものではピレネー山脈地方のシチューEstofado de Ternera a la Catalanaがある。これはcivet と呼ばれる中世から受け継がれているシチューの牛肉版で、civet自体は鹿やヨーロッパウズラなどの狩猟で得た食用可能な肉なら何でも使われてきた。またcivetには元々豚の血が使われていたが、それがチョコレートに置き換えられたと言う。
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